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2011/01/28
グランマ・モーゼスが教えてくれたこと

「モーゼスおばあさんの四季」
本屋さんで購入できます
ルーブル美術館が初めてアメリカ人の絵画を買い上げたのは誰の作品かをご存じでしょうか。
アメリカの代表的な画家やアーティストといえば、有名な画家でアンディ・ウォーホル?ジャクソン・ポロック?と様々な人を思い浮かべるかもしれませんが、実はグランマ・モーゼスの絵画です。
アンナ・メアリ・ロバートソン・モーゼス(1860〜1961)ことグランマ・モーゼスは、70歳を過ぎてから初めて筆をとり(!)、その後画家として有名になったことで知られています。彼女の描く絵画は特に凝った技法もないとても素朴な絵画で、農村の風景を描いたものが多く、ノスタルジックな気持ちになります。
子育てに一段落したら何かしよう、何か勉強したいなと思う方がいらっしゃるかもしれません。私の友人も40歳を過ぎて、最近資格を取得するために勉強している話をしてくれました。その時に「こんな年齢で資格をとって役に立つのかしら?」と少々諦めがちな言葉が出たので、私はグランマ・モーゼスのことを話しました。「何かするのに遅すぎることはないんだよ」というメッセージが伝わってきませんか。
皆さんも何か始めようと思ったときに迷ったらグランマ・モーゼスのことを思い出してください。そして彼女の絵を鑑賞する機会があったら、ぜひその作品にふれてくださいね。
(コロコニスタッフ 中川)
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2011/01/04
女性医師支援の意義と展望

本年もよろしくお願いたします。
男女共同参画推進室スタッフ一同
さて、今年のブログ書き初めは、医学系研究科形態解析学・器官構造学講座の阿部寛先生からエッセイをお寄せいただきました。
医師不足や女性医師支援の記事が新聞によく掲載されます。どのくらい深刻な問題なのでしょうか?
日本の女性医師の割合は医師全体の17.3%(2006年)ですが、20歳代では35.8%をを占めます。特に産婦人科医師の中では20歳代の7割以上、30歳台の5割以上が女性(2004年)で、むしろ多数派となっています。この世代の医師はまだ開業することは珍しく、また厚労省の医官や基礎医学の研究者はごく一部であるため、彼女らは殆どが勤務医として(一部は大学院生として)病院のお産を担っていることになります。彼女ら自身が出産・子育て世代でもあることや、現在50〜60歳台の産婦人科医師(多くは男性)が、今後10年間でしだいにお産の担当からはリタイヤしていくと思われることを考慮すると、10年後にはさらに産婦人科の医師が減少することは明らかでしょう。このような事情は小児科でも同様ですし、また眼科・皮膚科・麻酔科では女性医師の割合がもっと高くなっています。外科系の臨床科では、医師数が少ないこと自体が大きな問題です。さらに麻酔科医が不足すれば手術件数に影響し、手術の待機が長びいたり、もちろん病院の収入と経営にも直結するのです。
本学医学科の女子学生の割合は平成になってから急に増加し、入学者に対して40〜45%の状態が続いてきました。女性の入学者に定員制限を設けることはおそらく憲法違反でしょうから、現在も将来も、女性医師なしで病院の医療を考えることはきわめて困難なのです。したがって、子育て中でも医師としての勤務を継続できるように、また出産した医師が病院勤務を辞めないように子育て支援をしなければ、医師不足は解消できないと考えます。
平成18年度に医療人GPの獲得によって立ち上げた「女性医師支援プロジェクト会議」では、このような危機感をもって女性医師の労働環境の調査や子育て支援のための病児保育所設立の準備などに取り組んできました。医学附属病院の病児保育所は本年4月1日に発足し、教職員のご父母から喜ばれています。大学の他にも、最近由利組合病院で院内保育所が発足し、さらに他の研修病院でも保育所の設立準備が進んでいると聞いています。少しずつ子育て支援の重要性に理解が深まってきているようです。
女性医師支援の活動を通して、女性医師の問題はけして女性医師に限定したものではなく、背景には絶対的な医師不足や、男女を問わず医師の過酷な労働環境の問題が深く関わっていることが理解できました。これらの解決には、子育て中の女性医師が声を上げることがまず必要だと思います。最も厳しい状況にあるのが子育て中の女性医師であるので、その支援の問題が突破口ではないでしょうか。しかし、男性医師でも病気にかかることもあれば、また男女を問わず介護の問題がのしかかってくるかもしれません。配偶者やお子さんの有無などの私的状況の相違にこだわらず、多くの医師のご理解が必要だと思います。

では、子育ての支援によって女性医師が子育て中に臨床を継続できれば医師の男女共同参画が達成されるのでしょうか?国は医師の養成のために医学生一人当たり5千万円以上の税金を投入していると言われていますが、この金額は男女で異なるわけではありません。たとえば2年生の人体解剖学実習も5年〜6年次の臨床実習も、男女どちらの学生も同じスケジュールで実習しています。男性と同様に育成された若い女性医師が、子育てのために医師としての研修の本流から外れることを余儀なくされることは、さまざまな意味でもったいないことではないでしょうか。すなわち子育て支援に加えて女性医師の能力の育成という観点が必要だと思います。女子医学生や女性研修医の皆さんには、男性優位の社会の中にあっても挫けずに自らの能力を磨き、医の道を拓く気概をもつよう激励したいと思います。そして、各病院や大学の指導的な医師が男女を問わず輩出するようになったとき、初めて医師の男女共同参画が達成されたことになるのだと思います。
医学系研究科形態解析学・器官構造学講座 阿部 寛



