研究内容RESEARCH

研究開発のターゲット

研究開発中の高性能モーターの種類

種類 取り扱う流体
取り扱う流量 要求される特徴
超高速モーター 気体:空気 モーターを搭載する機器は、軽量かつ小型
大出力モーター
超高速モーターの20倍以上
1秒間に50畳敷の部屋相当の空気を吸い込み、後ろに吐き出すパワーが必要
高トルクモーター 液体:燃料 小~中 粘度の高い液体の中で作動するため、空気中よりも羽根車を回す大きな力(トルク)が必要

 電動化システム共同研究センターが目指しているのは「航空機システムの電動化」です。
航空機は移動に欠かせない交通機関ですが、CO2排出量削減は優先度の高い重要案件であり、国際民間航空機関(ICAO)は、「国際航空分野で2050年までにCO2排出を実質ゼロにする(カーボンニュートラル)」という長期目標を採択しました。
航空機のCO2排出量を削減する方法としては、現在、次の3点が考えられています。①全電動航空機、②SAF(植物由来等の持続可能な航空燃料: SustainableAviation Fuel)の使用、③既存のジェットエンジンの高効率化とモーターの組み合わせ方式、です。
我々が想定しているのは、すべて電気で飛行する全電動飛行機ではなく、高効率ジェットエンジンと電動ファン(航空機の後ろに装備して推力を発生させる)を併用した「ハイブリッド電動航空機」です。現在の旅客機に搭載されているジェットエンジンは推力を発生させる仕事以外に、高空の気圧の低い空気を昇圧して客室に送ったり、機体の機器を動かすために必要な油圧を作るポンプを駆動するなどの仕事をしていますが、推力を発生する仕事以外の仕事をジェットエンジンから切り離してそれをモーターに代替させることで、ジェットエンジンの仕事を軽減させ、使用する燃料を削減してCO2の発生を抑制することを目指して、これらに必要な各種モーター等の研究開発を進めています。

航空機システム電動化のために取り組んでいるテーマとタスク

システム効率性評価 エネルギー回収・航空機エネルギーイノベーション 冗長アクチュエーター 燃料ポンプロジック試験 ハイブリッド層流制御 大出力モーター開発 電力標準化・冗長化 燃料ポンプ耐久・耐環境試験 超高速モーター、新構造ローター、ブロア、燃料ポンプ用モーター開発 ギアシャフト加工・軟磁性材料加工 電力グリッド 地域人材開発 アスター共同研究・サテライトラボ 総務全般 セキュリティ導入