地方からの新たな挑戦 あきた数学教育学会

2018年09月28日

平成30年8月25日(土) あきた数学教育学会①
(中央教壇)田仲誠祐教授




 

平成30年8月25日(土) あきた数学教育学会②




 

教育学研究科教授 田仲誠祐(あきた数学教育学会会長)



【船出】
 8月25日(土)、あきた数学教育学会の第1回定期研究集会を、教育文化学部との共催により、実施しました。大曲の全国花火大会と期日が重なったため午前中だけの半日開催としましたが、2分科会で6件の研究発表があり有意義な意見交換をすることができました。発表者は、小学校、中学校、高等学校、大学(うち、県外から2件)と多様で、発表内容の大部分が秋田県内で行われている教育実践に基づくものであり、秋田の実践や研究の蓄積・発信を、組織的に進めていく学会としての可能性を感ずることができました。
 総会では、研究集会、学会誌発刊等の事業および予算の審議をするとともに、本学会の母体である秋田算数・数学教育研究集会の会長を務めてこられた、秋田大学名誉教授の湊三郎氏、秋田大学教授の杜威氏の本学会の名誉会長への就任が承認されました。

【経緯】
 本学会の前身である秋田算数・数学教育研究集会は、本学大学院数学教育専修の修了者を中心に、数学教育に関心の高い教員が集う研修会を毎年7月に行ってきました。このような活動を20年以上続けてきた今、秋田の教育界は大きな変化の局面を迎えております。大量退職、大量採用による、秋田の教育実践力の継承が課題になっているのです。また、学校の多忙化、働き方改革の流れに伴い、教員による研究会の活動も縮小の傾向にあります。一方では、秋田県の授業力についての様々な研究、著作が増え、年々、国内外の教育研究者の秋田への関心が高まってきています。このような状況を踏まえ、研究集会を発展的に解消し新たに設立したのがあきた数学教育学会です。本学会は、教員を退職した人や県外の研究者の知の結集を目指しております。
 そのために、今年3月には、本学会の趣旨に賛同してくださった国立教育政策研究所の千々布敏弥総括研究官による設立記念講演会を開催し、本学会の旗揚げをいたしました。

【今後の見通し】
 本学会が編集する学会誌は、従来のように、単に投稿された論文を審査し掲載するというもののではありません。秋田県内の数学教育研究会等で発表された実践報告で、学会等で未発表なもの(いわば実践研究の原石)について、論文作成のサポートを積極的に行うことにしております。秋田県教育委員会の数学の指導主事も多数に学会に加入しており、秋田の地で温めてきた理念と優れた教育実践を可能なかぎり蓄積・発信することが期待できます。県外から参加してくださる研究者の視点は貴重であり、今後、共同研究を活性化させていく見込みです。日本数学教育学会が百周年を迎えた節目の年、一地方に発足した本学会が、教育県秋田の風土と調和して個性豊かに発展していくことができたらよいと考えております。