報告書紹介(教育文化学部 広報委員会)

2015年04月24日

 

本学部教員の報告書を紹介します。

佐藤修司(教授) 学校教育課程こども発達コース担当、
こども発達・特別支援講座所属
科研報告書『東日本大震災とそれ以降における教育委員会や学校の状況に関する調査報告書』(2015年3月発行)


 これは平成24年度から26年度に実施された科学研究費補助金基盤研究(B)(研究代表者:佐藤修司)の報告書です。日本教育学会の2011年8月に行われた大会(千葉大学)において、「大震災と教育」と題する特別課題研究を3年間実施することが決定され、その社会教育・自治体グループに参加した佐藤修司(秋田大学)と、大桃敏行(東京大学)が中心となって、他に新妻二男(岩手大学)、土屋明広(岩手大学)、紺野祐(秋田大学)、石井山竜平(東北大学)、谷雅泰(福島大学)、佐藤広美(東京家政学院大学)のメンバーで実施したものです。
 この報告書は、岩手県、福島県の県・市町村教育委員会、小学校、中学校等が置かれている状況について、聞き取ったことを整理して掲載しています。特に、福島県双葉町は長期にわたって県外の埼玉県加須市に避難していました。加須市立騎西小学校、騎西中学校に双葉町の児童生徒が就学するという、きわめて希有な状況が生じていて、その聴き取りの記録も掲載しています。
 被災時やその後の緊急時だけでなく、その後の復興時における大変な状況が現場の目から語られています。東日本大震災の「教訓」を忘れず、風化させないこと、来るべき災害に備えることが強く求められています。

【目次】
はじめに
1 新潟県教育委員会(2012年12月26日)
2 新潟県長岡市教育委員会(2012年12月27日)
3 岩手県宮古市教育委員会(2013年7月18日)
4 岩手県野田村教育委員会(2013年7月24日)
5 福島県大熊町教育委員会(2012年8月9日)
6 福島県会津若松市教育委員会(2012年12月19日)
7 福島県大熊町立熊町小学校・大野小学校(2012年12月19日)
8 福島県浪江町浪江小学校(2012年12月20日)
9 福島県浪江町浪江中学校(2012年12月20日)
10 埼玉県加須市立騎西小学校(2013年6月13日)
11 埼玉県加須市立騎西中学校(2013年6月14日)
12 福島県双葉町教育委員会(2013年9月13日)
13 福島県立双葉高等学校(2013年9月17日)
14 福島県立富岡高等学校(2013年9月13日)
15 福島県いわき市教育委員会(2013年9月17日)
16 福島県楢葉町立楢葉南小学校(2014年6月20日)
17 福島県立双葉町立双葉南小学校・双葉北小学校(2014年6月20日)
18 福島県立教職員組合いわき支部(2014年6月20日)
19 福島県教育委員会(2014年10月17日)
20 岩手県大槌町教育委員会・総務部(2014年12月14日)
21 岩手県大槌町立大槌小学校(2014年12月15日)
22 岩手県小学校教員(2013年4月13日)
23 岩手県教育委員長、岩手大学教育学部長(2013年12月18日)
24 熊本・水俣病患者(2014年9月4日)
25 (論考)災禍における人間と教育の可能性を考える
    -水俣・緒方正実の場合-(佐藤広美) 


















皆既月食の様子をお伝えします

2015年04月06日

地域文化学科 地域社会講座  上田晴彦


4月4日(土)の皆既月食の様子をご紹介します。

当日は関東から九州にかけて曇りや雨の地域が多く、ほとんどの地域では皆既月食を観察できませんでした。しかし幸運にも秋田市は晴天に恵まれ、皆既月食を十分に堪能することができました!

また当日は第一土曜日だったので、秋田大学教育文化学部天文台の恒例の観望会の日とも重なりました。そのため林信太郎教授、成田堅悦氏、毛利春治氏、約20名の市民の方々と一緒に欠けていく様子を楽しむことができたことも幸運でした。成田堅悦氏が写真撮影を担当してくれたため、皆既月食の様子を皆さんにお見せすることができます。(秋田大学の屋上は風が強く、そのため写真は少しブレています。)今回の月食では、月は本影の端ぎりぎりのところを通りました。そのため皆既にはなりましたが、月の左上の部分が若干明るいままです。



皆既月食の様子(成田堅悦氏提供)



なお当日はウェザーニュースのスタッフが、秋田大学教育文化学部天文台からネット中継をしてくれました。他地域のネット中継が全滅状態でしたので、「月食LiVE中 秋田大学天文台」の文字が入った映像がYouTubeに流れ続け、大きな宣伝効果になりました。以下のリンクから現在も見ることができますので、是非ご覧ください。

https://www.youtube.com/watch?v=T7ptIfvkysg


成田氏は今回の皆既月食でも、ターコイズフリンジとよばれる現象を撮影することに成功しました。下の写真を見てみると影の部分と明るい部分の境目が若干青くなっていることがわかると思います。これは地球大気上空にあるオゾン層を通過した光が青味がかった色をしており、これが月面上に見られるために起こります。肉眼で観察することは難しいですが、写真だとかなりはっきりわかると思います。


ターコイズフリンジの様子(成田堅悦氏提供)



次回の皆既月食は、2018年1月31日です。最大食は22時半ごろですから比較的見やすく、多くの人が楽しめそうです。ただし真冬ですので、秋田市では観察は難しいと思います。




 

卒業論文及び修士論文テーマの公募 成果報告会を開催しました

2015年03月30日

教育文化学部 総務担当


 3月19日(木)に本学部にて「平成26年度秋田大学教育文化学部地域連携推進事業 卒業論文及び修士論文テーマの公募 成果報告会」を開催しました。
 本学部では、平成22年度より卒業論文テーマ及び修士論文テーマを自治体等から公募する事業を実施しています。平成26年度は自治体から4件のテーマ公募があり、6名の学生が自治体の協力を得ながら取り組んできた研究の成果を発表しました。

[平成26年度 採択テーマ・連携自治体・取組学生一覧はこちら]


 報告会には、自治体関係者の皆様や本学教職員、学生の約40名の方に参加いただきました。総合討論では、参加者の皆様から寄せられたご質問・ご意見に取組学生と指導教員がお答えし、活発な意見交換が行われました。
 平成27年度は、秋田市からご提案いただいた「人口減少に関する現状と課題」と「高齢者の地域でのボランティア活動を通じた社会参加に関する現状と課題」の2件のテーマについて、本学部の学生が約1年間の期間をかけて取り組みます。
 今後も自治体等との連携・協力による地域教育への貢献を目指し、様々なテーマに取り組んで参ります。10月頃にテーマを公募いたしますので、各自治体の皆様には、ぜひ積極的にテーマをご提案いただきますよう、ご協力をお願いいたします。


成果報告の様子



総合討論の様子

 

アケビ活用のための調理実習会を開催しました

2015年02月10日

地域文化学科 地域社会講座  池本 敦


 2月8日(日)に秋田市女性学習センター((秋田市文化会館サンパル秋田)で、「地域伝統食であるアケビの健康食品としての活用」と題して、一般市民向けの講演と調理講習会を開催しました。午前中は講演会で、アケビの種子から搾油した秋田の伝統的食用油であるアケビ油について、その歴史と成分や健康機能などの有用性を紹介しました。種子が手に入りにくく、大量製造が困難なのが現状で、アケビ自体の食利用を広めることが課題となっています。


午前中の講演会の様子


 アケビは本州全土に広く自生し、白くて甘いゼリー状の実が全国的に食べられています。実の中に種が多いのが難点ですが、それを捨てずに搾油したのが秋田の先人の知恵です。一方で、その外側の紫色の肉厚な皮は、秋田と山形では食用として利用してきましたが、他の地域ではほとんどが廃棄されています。アケビ果皮は少し苦味があるのですが、茄子のような食感で、様々な郷土食が秋田と山形にはあります。

 私たちの研究から、アケビ果皮には肥満や老化の予防など、様々な健康機能があることが分かってきました。大変利用価値が高いものなのですが、果皮を食べる食習慣は年々減少してきています。そこで、午後にアケビ果皮の調理講習会を開催し、調理特性やレシピを紹介しました。説明はレシピ開発者である大学院生の鈴木景子さんに担当してもらいました。


調理実習でのレシピの説明


 参加者は20名で、秋に収穫し冷凍保存しておいたアケビ果皮を用いて、4つのグループに分かれて調理しました。苦味を柔らげるには下処理が重要で、果皮を熱湯(食塩、酢または重曹を添加)で3分間加熱し、水に一晩浸漬しておくのがコツです。


調理の様子1


 参加者のみなさん全員が、とても手際よくアケビ果皮を捌いていき、お互いに協力し合いながら、楽しく作業をすすめることができました。既にアケビ果皮をよく利用されている方もいらっしゃり、調理方法を提案してくださいました。私たちにとっても、新たな調理法が分かり、大変参考になりました。また、山菜採りに詳しい方の参加もあり、今後それらの活用についても、地域の皆さんと協働できればと思います。


調理の様子2



 今回は、アケビの肉詰め、ミネストローネ、くるみ味噌和え、レモン煮の4種類の料理を作りました。どれもアケビ果皮特有のほのかな苦味とその他の食材が調和した仕上がりになっており、大変おいしくいただきました。


アケビの肉詰め



アケビのミネストローネ


 今後、アケビ果皮の食利用がさらに全国規模に広がれば、アケビの地域資源としての価値も高まりますし、種子の量的確保にもつながり、アケビ油の製造規模も拡大できると考えています。

 以下に今回のレシピを公開いたしますので、ご興味のある方は、下記をクリックして、PDFファイルをダウンロードし、ご活用ください。

[ アケビ果皮料理レシピ]






 

阿仁合小学校の子どもたちとともに地域志向教育研究と教育心理学実習をコラボさせた試み

2014年12月08日

学校教育課程 発達科学選修 心理学研究室・森和彦


 秋田県の小規模小学校を巡回して心理テストバッテリーを組んだ小学生との交流の試みは記録上、今年で46年目(なんと現存する記録の一番最初にある学校も阿仁合小学校でした)を迎えました。開始当時としては珍しく学部1年生から学校現場に出て心理学研究室の特徴でもある心理テストを含めた子どもたちの評価と分析方法を学ぶ体験です。心理テスト実施だけなら教科書やマニュアルを読み解く力があればできるようになっているのですが、心理学の基礎的知見を活かした結果の運用方法や実際の子どもたちとの交流の中で“生きたデータ”を読みとる力を養う臨床実践的なトレーニングになっています。本年度は新たな試みとして、この実習に文科省から予算をいただいている地域志向教育研究を加えて、阿仁合小学校の子ども達と共に故郷の歴史、産業、地形、文化、生活についても、フィールドに出て直接本物と接しながら学び合いをしてきました。大変充実した行事になったと阿仁合小学校の校長先生にも喜んでいただきました。写真は最終データ処理が終わって所見を作成し、阿仁合小学校の全先生方と共に結果報告会を実施した時の様子です。学生も実習なので、最終報告にはテスト結果を踏まえた今後の個々の子どもたちへの指導の在り方まで話すことになり、現場の先生に多岐に渡ってご指導・ご助言をいただいてまいりました。お忙しいスケジュールの中、校長先生を御先頭に阿仁合小学校の教職員の方々、阿仁合地区の皆さんには大変お世話になりました。この場を借りて御礼申し上げます。この様な取り組みは参加学生の教育心理学の実践的学習ができるという恩恵や、 無料で子どもたちの多面的な情報が得られて指導に活かせるという実施小学校にとっての恩恵ばかりでなく、子どもたちにとっても楽しく、かつ有意義なプロジェクト学習への参加となり、故郷に誇りを持つという意味でも有益だったと思われます。しかし同時に教育実習を始めとする過密化する小学校や大学の学校行事の隙間を狙って実施するという綱渡り的なプロジェクトでもあり、毎年『今年は実施できるか?』とハラハラドキドキしながら企画しているところでもあります。


阿仁合小学校最終報告会の様子



























 

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