幾何学

 理数教育コースの数学教育では、数学に関する教科教育と教科専門を学びます。教科専門では、現代数学の4つの分野「代数学」「幾何学」「解析学」「確率・統計学」の講義があります。ここでは「幾何学」の講義の中でもトポロジーに関する講義を紹介します。

“柔らかい”幾何学「トポロジー」

 トポロジーとは、図形を扱う幾何学の中でも“のばしたり”、“縮めたり”しても変わらない図形の特徴を調べる分野です。図形がゴムや粘土といった“柔らかい”素材でできているかのように扱われるので、柔らかい幾何学とも言われます。日本語での正式名称は「位相幾何学」となります。

どんな図形を研究するのだろう?

 トポロジーで研究する図形の中に“帯をひねってつなげたもの”があります。
矢印のように帯を何度かひねって(180°回転させて)端を貼るといろいろな図形ができます。
0回、1回、2回、3回とひねってみると下のような図形ができます。

 トポロジーでは、偶数回ひねりのグループと奇数回ひねりのグループに分けて考えます。なぜ2つのグループに分けるかというと、“長さ”や“角度”といった図形の特徴とは別の“つながり方”という性質にそれぞれ共通の特徴があるからです。

どんな図形を研究するのだろう?

ひねった帯を帯の中心にそって切ってみましょう。分解しようとすることで“つながり方”が見えてきます。

  • 偶数ひねりのグループは2つの帯に分離します。
  • 奇数回ひねりのグループは1つの帯のままです。

帯は1つのままですが、1回ひねりと3回ひねりでは絡まり方が異なります。3回ひねりから作られる帯は、「三葉結び目」とよばれます。“ひねり”がつくりだす「結び目」も現代数学で活発に研究されている題材です。

講義風景

ひねった帯を学生の方と一緒に作って調べてみました。講義の様子は以下のようになります。