国際文化コース「国際文化基礎ゼミ」紹介

「国際文化基礎ゼミ」は国際文化コース2年生の必修科目です。人文学の学習や研究の方法を学び、身に付けることを目指します。文学や歴史、思想などの学問はどのように人間の活動や英知、そして人々と地域の関わりを探求するのでしょうか。講義とグループディスカッション、さらにプレゼンテーションを組み合わせて、これを学びます。

 今年度、学生はまず4月に歴史・文学・芸術・哲学の方法を講義形態で学びました。各分野に特有の読解や思考の方法をすぐに理解することは難しいです。このため、学生は具体例として、本コース担当教員が執筆した秋田魁新報の連載「感染症 世界×文化」の記事11本を読みました。その中から、一人一人がさらに調べたいと考えた記事を課題資料としてひとつ選び、記事にそってグループ分けが行われました。連休明けには、資料をより深く理解するための参考文献をどのように探し、またどの文献が読むに値するかを見極める技術も学びます。学生はインターネットサイトの検索ツールを駆使し、また大学の付属図書館に赴き、民間のブックストアのウェヴサイトも調べました。

 6月に入ると、各グループが参考文献を読み進め、自分たち自身の視点を探りました。学生たちは読んできた本についての知見とともに、これらをどのようにまとめればよいか、またそれが課題資料の内容とどのように違うかについて、活発な議論を交わしました。これらの学びと探求の総決算として、7月末に発表会が行われます。今年度は、「中世ヨーロッパのペスト大流行と庶民の認識」、「トーマス・マン『ヴェニスに死す』とジェンダー」、「現代英国音楽劇とエイズ」、「ミシェル・フーコーと感染症」といったテーマで発表会が行われる予定です。

 文学や歴史、思想や言語などの学問は、一般的には現実社会や目の前で起きていることと関係ないと想像されがちです。

しかし、人が古来より、どのように生きて、何を描き、表現し、いかなる方法で物事を考えたかを明らかにすることは、どの時代においても大きな力を与えてくれます。感染症の世界的流行や地震水害の頻発等、近未来を想像しにくくなっている今だからこそ、人類の足跡を探求する人文学を学んでみませんか。