感染症

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学校感染症について

学校において予防すべき感染症(最終改正:平成27年文科令1号)

第一種
 エボラ出血熱、クリミア・コンゴ出血熱、痘瘡、南米出血熱、ペスト、マールブルグ病、ラッサ熱、急性灰白髄炎、ジフテリア、重症急性呼吸器症候群(病原体がベータコロナウイルス属SARSコロナウイルスであるものに限る)、中東呼吸器症候群(病原体がベータコロナウイルス属MERSコロナウイルスであるものに限る)、特定鳥インフルエンザ(感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律に規定する特定鳥インフルエンザをいう。以下同じ)
(新型インフルエンザ等感染症、指定感染症、新感染症を含む)

第二種
 インフルエンザ(特定鳥インフルエンザを除く)、百日咳、麻疹、流行性耳下腺炎、風疹、水痘、咽頭結膜熱、結核、髄膜炎菌性髄膜炎

第三種
 コレラ、細菌性赤痢、腸管出血性大腸菌感染症、腸チフス、パラチフス、流行性角結膜炎、急性出血性結膜炎、その他の感染症

出席停止期間(最終改正:平成27年文科令1号)

第一種
 治癒するまで

第二種
1)インフルエンザ(特定鳥インフルエンザ及び新型インフルエンザ等感染症を除く):発症後5日を経過し、かつ、解熱後2日(幼児では3日)を経過するまで
2)百日咳:特有の咳が消失するまで、又は5日間の適切な抗菌薬療法が終了するまで
3)麻疹:解熱後3日を経過するまで
4)流行性耳下腺炎:耳下腺、顎下腺又は舌下腺の腫脹後5日を経過し、かつ、全身状態が良好となるまで
5)風疹:発疹が消失するまで
6)水痘:すべての発疹が痂皮化するまで
7)咽頭結膜熱:主要症状消退後2日を経過するまで
8)結核:症状により学校医等が感染のおそれがないと認めるまで
9)髄膜炎菌性髄膜炎:症状により学校医等が感染のおそれがないと認めるまで

第三種
 症状により学校医等が感染のおそれがないと認めるまで
 結核、髄膜炎菌性髄膜炎及び第三種の感染症者は、病状により学校医又はその他の医師が感染恐れのないと認めるまで。
 第一種または第二種の感染症者との同居者または罹患疑い者は、予防措置の施行状況などにより学校医又はその他の医師が感染恐れのないと認めるまで。
 第一種または第二種の感染症発生地域からの通学者は、発生状況により学校医の意見を聞いて適当と認める期間。
 第一種または第二種の感染症流行地を旅行した者は、その状況により学校医の意見を聞いて適当と認める期間。

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インフルエンザ

病原体

 インフルエンザウィルスにより生じる疾患です。インフルエンザウィルスはA、B、C型があり、流行するのはA型とB型です。A型とB型ウィルス粒子の表面には、感染する細胞との結合に必要な赤血球凝集素(HA)と感染した細胞からの遊離に必要なノイラミニダーゼ(NA)と呼ばれる糖蛋白が存在します。A型にはHAが16種類、NAが9種類あり、その組み合わせで多くの亜型が存在し、ヒト以外にもブタやトリなどその他の宿主に広く分布します。

インフルエンザウィルスの変異

 A型インフルエンザは、数年から数十年ごとに突然異なる亜型のウィルスが出現(不連続抗原変異)し、世界的な大流行(パンデミック)となります。1918年にスペイン風邪(H1N1)、1957年にアジア風邪(H2N2)、1968年に香港型(H3N2)、1977年にソ連型(H1N1)が発生し、現在はA型のH3N2とH1N1、およびB型の3種のインフルエンザウィルスが世界的に流行しています。
同じ亜型内でも、ウィルス遺伝子の突然変異の蓄積により、HAとNAの抗原性が僅かに変化(連続抗原変異)し、毎年のように流行します。

感染経路・潜伏期・症状

 飛沫感染が主ですが、接触感染(ウィルスが付着した手を介して眼、鼻、口から感染)もあります。潜伏期は1〜5(平均3日)で、通常、突然38℃以上の高熱、悪寒、頭痛、筋肉・関節痛などの全身症状や喉の痛み、咳、痰などの呼吸器症状が出現し、嘔吐、下痢などの腹部症状を伴うこともあります。高熱は3〜4日持続し、発熱1日前から発症後7日頃までは感染の可能性があります。重症例では肺炎、脳症、心筋炎などを併発することもあります。

診断・治療

 迅速診断キットで、インフルエンザA型またはB型を区別して感染の有無が診断されます。ただし、検出感度は100%ではなく、発症後12時間内、B型インフルエンザ、鼻腔検体より咽頭検体で検出率が低下します、すなわち、迅速診断キット陰性でもインフルエンザ感染を否定できない場合があります。
発症後2日以内であれば、ノイラミニダーゼ阻害薬(オセルタミビル、ザナミビル、ラニナビルなど)の投与で、症状の軽減と罹病期間の短縮が期待できます。対症療法としての解熱剤は、アスピリン(アスピリン、バファリンなど)はライ症候群との関係が推測され、またジクロフェナクナトリウム(ボルタレンなど)やメフェナム酸(ポンタールなど)は脳症の悪化因子とされ、小児への使用は避けます。

予防

 常日頃より適切な休養、睡眠、バランスのとれた食事などで体調を管理します。流行時には不必不急の外出を避け、手洗、うがいを日常的に行います。部屋の換気を行い、湿度を保つようにします。流行前(効果出現までに約2週間必要)にインフルエンザワクチンの接種を受けておきましょう。

感染が疑われた場合

 流行期に急激な発熱や呼吸器症状などでインフルエンザ感染が疑われた場合、マスクを装着して遅滞なく医療機関を受診、適切な診断と治療を受けることが重要です。理由はインフルエンザに関しては診断や治療法があること、時に重症な合併症があること、学校保健安全法で出席停止期間(発症後5日を経過し、解熱後2日を経過するまで)が定められていることなどです。診断が確定したら、十分な栄養と安静をとり、外出は必要最小限とし、やむを得ず外出する場合はマスクを装着し、咳エチケットを守ることが重要です。また大学、特に保健管理センターに診断結果を必ず連絡して下さい。大学のインフルエンザ対策上重要です。

 

(リンク)
1) 厚生労働省(健康)
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenko_iryou/kenkou/

2) 文部科学省(学校保健の推進)
http://www.mext.go.jp/a_menu/kenko/hoken/index.htm
3) 国立感染症研究所
http://www.nih.go.jp/niid/ja/

(参考資料)
1) 新版 学生と健康、国立大学法人保健管理施設協議会(監修)、2011、南江堂
2) インフルエンザとキャンパス感染症ガイドブック2009、国立大学法人保健管理施設協議会エイズ・感染症特別委員会、2009
3) ワクチンと大学の保健管理ガイドブック2012、国立大学法人保健管理施設協議会 「ワクチンと大学の保健管理」編集委員会、2012

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新型インフルエンザ

病原体

 季節性インフルエンザウィルスと抗原性が大きく異なる新型インフルエンザウィルスによる感染症で、多くの人が免疫を持っていないため世界的規模で急速に広がり、病原性も異なる可能性があります。

感染経路・潜伏期・症状

 感染経路は季節性インフルエンザと同じく、飛沫感染と接触感染と予測されます。潜伏期は季節性インフルエンザと多少異なる可能性があります。初期症状は発熱、咳など季節性インフルエンザと同様と推測されます。通常、症例定義として、診断上の特徴的症状が提示されます。ウィルスの病原性と生体の免疫との関連で重症化し易い可能性もあり、肺炎、脳症、心筋炎などに注意が必要です。

診断・治療

 迅速診断キットを用いた診断は有用と推測されますが、検出感度が異なる可能性や季節性インフルエンザ同様に発症早期の検出率は低くなる可能性があります。迅速診断キット陰性は新型インフルエンザ感染の否定にはなりません。
 発症早期のノイラミニダーゼ阻害薬(オセルタミビル、ザナミビル、ラニナビルなど)投与は有効と推測されます。

予防

 常日頃より適切な休養、睡眠、バランスのとれた食事などで体調を管理します。流行時には不必不急の外出を避け、手洗、うがいを日常的に行います。部屋の換気を行い、湿度を保つようにします。ワクチン接種が可能となり未感染の場合は接種を受けましょう。

インフルエンザ様症状が出た場合

 新型インフルエンザの発生段階により対応は異なります。以下の対応は病原性の高い場合を想定しており、病原性が低い場合などには変更される可能性があります。
a) 国内発生早期
国内発生早期に急激な発熱や呼吸器症状などのインフルエンザ様症状が出た場合、マスクを装着して、遅滞なく指定される医療機関(状況により変更される可能性あり)を受診します。この際に感染が疑われると、感染症法に基づき、入院措置がとられます。疑いも含め診断結果を大学、特に保健管理センターに必ず連絡して下さい。大学内で感染者が出ると、大学設置者は県保健衛生部局と相談し、臨時休業等の検討が必要となるからです。
b)国内感染期
国内感染期に急激な発熱や呼吸器症状などのインフルエンザ様症状が出た場合、マスクを装着して、遅滞なく指定される医療機関(状況により変更される可能性あり)を受診します。この際に入院措置がすでに解除されていれば、自宅での療養となるので、医師の指示に従います。疑いも含め診断結果を大学、特に保健管理センターに必ず連絡して下さい。大学内で感染者が出ると、大学設置者は県保健衛生部局と相談し、臨時休業等の検討が必要となるからです。

 

リンク
1) 厚生労働省(健康)
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenko_iryou/kenkou/
2) 文部科学省(学校保健の推進)
http://www.mext.go.jp/a_menu/kenko/hoken/index.htm

(参考資料)
1) インフルエンザとキャンパス感染症ガイドブック2009、国立大学法人保健管理施設協議会エイズ・感染症特別委員会、2009
2) インフルエンザとキャンパス感染症ガイドブック補遺2010、国立大学法人保健管理施設協議会 エイズ・感染症特別委員会、2010

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結核

現状

 世界保健機関(WHO)は1993年に「結核の非常事態」を発表し,結核の軽視、HIV感染の流行、抗結核薬に耐性を示す結核の出現などにより、結核による健康被害が世界各地で拡大していることに警告を発しました。
 わが国において、結核はかって国民病と呼ばれ、長く死因の第一位でした。生活水準の向上や医療の進歩に伴い、罹患率は1970年代まで順調に減少していましたが、80年代に入り減少に鈍化傾向がみられ、1997年にはついに結核罹患率が増加しました。このため、1999年に厚生省(当時)は「結核緊急事態宣言」と対策の強化を行い、結核罹患率は再度減少に転じました。ただ、先進国の中では未だ高い罹患率で、結核中蔓延国の状態です。

感染と発病

 結核感染は、咳などで飛散した結核菌を含んだ飛沫の直接吸入(飛沫感染)、または飛沫が乾燥し空中を漂うようになった飛沫核の吸入(空気感染)で生じます。結核菌に感染すると、BCG未接種の人は2カ月後くらいでツベルクリン反応が陽転し、この頃より感染した人の約10%程度で発病します。BCG接種済みの人は発病が少し遅く5〜12カ月後に多く、その後にも生じますが、発病する割合はBCG未接種の人よりも少なくなります。ただ、発病しない場合でも結核菌は封じ込められた状態で生存しており、発病の可能性は生涯続き、免疫力が低下したりすると発病することもあります。

症状

 結核菌に感染すると、体の免疫機構は6〜8週間かけて結核菌と戦い、この間は特に症状なく、上手く封じ込めれば発病しません。封じ込めが不十分のまま4〜6カ月経過すると、胸膜(肺を覆っている膜)に炎症が生じ、熱や胸痛、咳などが出たり、胸部X線に異常が見られたりします。また、肺に結核病巣ができると、微熱や夜間の発汗、咳や痰が出現します。さらに、結核病巣の中心部が崩れ空洞部分ができると、激しい咳、痰、血痰などが生じ、多数の結核菌も排出され、感染の危険が非常に高くなります。

大学での一般的注意

 現在のように結核が減少した状態では、大学生の大部分は未感染で、結核に感染し易い状態にあり、時に集団感染を生じます。臨床実習や介護実習のある学生は結核感染の機会が多く、ハイリスクグループと呼ばれます。これらの学生に加え教育実習のある学生は、自身が結核に罹患すると患者や生徒に感染させる危険があり、デインジャーグループと呼ばれます。ハイリスクグループやデインジャーグループの学生は、潜在する危険を自覚し、定期健康診断の確実な受診など自身の健康管理が重要です。結核の蔓延程度は国により異なり、留学や旅行に際しても情報を得ておく必要があります。外国人留学生に新規結核発生の頻度が高いとの指摘もあります。

大学で結核が発生した場合

 学生が結核を発病しても非感染性、すなわち他人に感染させる恐れのない場合は、一般の患者と同様に外来治療できます。感染性、すなわち他人に感染させる恐れがある場合は、学校保健安全法で出席停止となり、感染症法では法的強制力を伴う入院勧告となります。また、家族や友人が感染性結核を発病した場合、保健所から直接、接触者健診の通知がきますので、きちんと対応する必要があります。

予防

 結核は体の免疫力が低下すると発病し易くなりますので、高齢者、糖尿病、人口透析を受けている人、HIV感染、種々の免疫抑制薬服用者は注意が必要です。また若年者でも、普段から体の抵抗力を落とさないような生活が重要です。例えば、バランスの良い食事、過度のダイエットはしない、十分な睡眠をとる、深夜のアルバイトは避ける、適度な運動をするなどです。集団で活動する時は部屋の換気も重要です。そして、2週間以上も続く咳や痰、原因不明の微熱や体重減少などの場合は医療機関の受診が必要です。

 

(リンク)
1) 結核予防会結核研究所
http://www.jata.or.jp
2) 厚生労働省(健康)
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenko_iryou/kenkou/
3) 文部科学省(学校保健の推進)
http://www.mext.go.jp/a_menu/kenko/hoken/index.htm
4) 国立感染症研究所
http://www.nih.go.jp/niid/ja/
5) WHO (tuberculosis)
http://www.who.int/tb/en/

(参考資料)
1) 新版 学生と健康、国立大学法人保健管理施設協議会(監修)、2011、南江堂
2) キャンパスでの結核対策マニュアル ー危機管理と危険管理—、国立大学法人保健管理施設協議会 エイズ・感染症特別委員会、2013
3) CAMPUS HEALTH 48(1), 98-101, 2011.
4) 国民衛生の動向2018/2019、厚生労働統計協会、2018

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HIV

HIV、AIDSとは

 HIV はHuman Immunodeficiency Virus( ヒト免疫不全ウィルス)、AIDS はAcquiredImmunodeficiency Syndrome(後天性免疫不全症候群)の略で、AIDSはレトロウィルスであるHIVの感染症です(下記参照)。

現状

 エイズ発生動向調査は1984年より開始され、以来、新規HIV感染者数は増加傾向にありましたが、2008年以降は横ばいとなっています。新規AIDS患者数の増加傾向も近年やや鈍化がみられますが、2017年においても、新規報告(HIV+AIDS)者のうち約3割はAIDSを発症してから診断されています。新規HIV感染者の多くは、日本国籍男性で、同性間性的接触を感染経路とし、日本国内で感染しています。新規HIV感染者は20歳と30歳代に多く、若者の疾患です。

感染経路と経過

 HIVは感染者の血液、精液、腟分泌物、母乳などに多いため、同性間および異性間の性的接触、血液接触および血液製剤使用、母子感染が感染経路となります。体に侵入したHIVは免疫機構に重要なCD4陽性T細胞に感染、細胞内で増殖し、これを破壊します。その後、体の免疫機構によりHIV量が押さえられ、CD4陽性T細胞が一定以上に保たれる期間が平均10年程続き、無症候期と呼ばれます。無症候期でも感染性は持続します。やがて、CD4陽性T細胞が徐々に減少し、200/μL以下では免疫不全が高度となり、日和見感染症や悪性腫瘍の危険が高くなります。この結果、AIDS指標疾患を発症すると、AIDSと診断されます。

症状

 未治療のHIV感染は、急性期(約8週)、無症候期(約10年)、AIDS発症期の自然経過をたどります。急性期の症状として、感染2〜6週後に発熱、咽頭痛、頸部リンパ節腫脹、皮疹などが出現し、1〜数週間で自然に軽快します。症状の出ない人もいます。無症候期は、原則、無症状で、時にリンパ節腫脹が持続することもあります。期間は2〜15年以上と個人差があります。AIDS発症期に近づくと、免疫機能の低下に伴い、体重減少、易疲労感、慢性下痢などが生じます。AIDS発症期はAIDS指標疾患(ニューモシスチス肺炎、重症カンジダ症、難治性ヘルペス、サイトメガロウィルス感染症、カポジ肉腫、結核など)の様々な症状を示します。

診断

 HIV感染の一定期間後に、血液中のウィルス核酸、ウィルス抗原、抗体を検出することで診断します。HIV感染急性期では、血液中にこれらの物質のいずれも証明できない陰性期間があり、window period(通常、4〜8週間)と呼びます。第4世代スクリーニングのwindow periodは約2週間と短縮しましたが、疑陽性(感染していないのに陽性を示す)もあり、陽性の際は、後に確定診断が必要です。検査は、保健所(無料かつ匿名で可能)で、感染可能性があった3か月以降に行うのが一般的です。献血を検査目的に使用してはいけません。

治療

 薬剤耐性を抑制するため、治療は抗HIV薬を3剤以上併用した強力抗レトロウィルス療法(HAART)が行われます。治療薬でウィルスを体内から完全排除はできないので、治療は原則、生涯続きます。

予防

 HIV感染予防には感染経路の理解が重要です。性的接触を介する感染の予防にはコンドームの使用、血液を介する感染の予防には使い捨て注射器の使用や針刺し事故対策の徹底(注射針の安全な取り扱い、適切な廃棄、事故時の予防内服)、母子感染の予防には母親の抗HIV薬使用、帝王切開、人工乳使用などがあります。HIV感染者のAIDS発症予防も重要で、感染可能性がある場合は適切に診断を受け、感染が確認された場合は適切な医療を受けるようにします。

 

(リンク)
1) API-Net エイズ予防情報ネット
http://api-net.jfap.or.jp/
2) HIV検査相談マップ
http://www.hivkensa.com/
3) 厚生労働省(健康)
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenko_iryou/kenkou/
4) 国立感染症研究所
http://www.nih.go.jp/niid/ja/
5) UNAIDS
http://www.unaids.org/en/

(参考資料)
1) 新版 学生と健康、国立大学法人保健管理施設協議会(監修)、2011、南江堂

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予防接種

ワクチン

 ワクチンは、抗原物質により生ワクチンと不活化ワクチンがあります。生ワクチンは弱毒化した生きた微生物を用いるため、生体内で増殖し、感染性も保持していますが、自然感染に近い免疫を獲得できます。不活化ワクチンは病原体またはその一部を処理して不活化したもので、生体内での増殖や感染性はありませんが、通常、複数回の接種が必要です。毒素を無毒化したトキソイドも、広義の不活化ワクチンです。

定期予防接種

 日本における予防接種は、予防接種法(平成26年10月改訂)に定められている定期接種と、個人の責任で行う任意接種があります。定期接種の対象疾患は、集団予防に比重をおいた「A類疾患」と個人予防に比重をおいた「B類疾患」があります。「A類疾患」は、市町村が対象者に接種を受けるよう勧奨しなければならず、対象者にワクチンを受ける努力義務があります。「B類疾患」の対象者は、ワクチンを受ける努力義務は無く、各自の判断で接種します。定期接種に含まれるワクチンでも、規定の接種方法や対象年齢外で接種する場合は、任意接種となります。

予防接種による健康被害救済

 予防接種は、これまで感染症の克服に多大な成果をあげ、今後も感染症予防に重要と予想されますが、極めて低い頻度ながらアナフィラキシーや中枢神経系障害などの生じることもあります。万一、予防接種による健康被害が生じた場合は、定期接種は予防接種法、任意接種は独立行政法人医薬品医療機器総合機構法による救済制度があります。

抗体保有状況

 感染症流行予測調査事業の一つとして、血清検査による一般集団の免疫状況調査が行われています。平成25年3月現在、ポリオ、インフルエンザ、日本脳炎、風疹、麻疹、百日咳、ジフテリア、破傷風が対象となっています。年齢別にこれら疾患の抗体保有状況が把握でき、感染症の対策上有用です。(詳しくは、国立感染症研究所 感染症流行予測調査 http://www.nih.go.jp/niid/ja/yosoku-index.html

海外渡航と予防接種

 感染症の流行状況や対策は国により異なります。海外渡航に際し、予防接種で感染危険度を下げられる疾患もあり、渡航先や渡航期間渡航形態や年齢、予防接種歴などを勘案し、受けるべき予防接種を決めます。複数回の接種が必要なワクチンもあり、早めに医療機関に相談しましょう。自身のこれまでの予防接種状態を確認し、記載したものを携帯することも有用です。入国に際し、黄熱の予防接種証明書を必要とする国があります。また、留学に際し、予防接種証明書を必要とする場合もあり、入学先や渡航先の在日大使館から情報を得ておきましょう。(予防接種可能な医療機関や黄熱予防接種に関する情報は、厚生労働省検疫所ホームページ http://www.forth.go.jpで得られます。また、個々の疾患については、FORTHや国立感染症研究所ホームページに詳細に記載されています。)

 

リンク
厚生労働省検疫所ホームページ FORTH(http://www.forth.go.jp
国立感染症研究所(http://www.nih.go.jp

参考図書
民衛生の動向・厚生の指標 増刊65(9), 2018.
ワクチンと大学の保健管理 ガイドブック2012 国立大学法人保健管理施設協議会エイズ・感染症特別委員会発行

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利用時間

月曜日〜金曜日

午前8:30〜午後5:00

受付

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内科相談

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毎日
学外カウンセラーの相談日 毎日

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