エイズと性感染症

1.エイズと性感染症

エイズ(AIDS:acquired immunodeficiency syndrome;後天性免疫不全症候群)

  1. AIDSはヒト免疫不全ウィルス(HIV : human immunodeficiency virus)の感染により生じる細胞性免疫不全を主な病態とする疾患である。
  2. HIVに感染すると、当初かぜ様症状を示すこともあるが、多くは無症状で経過し、感染後6〜8週間でHIV抗体陽性となる。
    感染からHIV抗体陽性となるまでの期間をwindow periodという。
  3. 無症候性キャリアの状態を数ヵ月から10年ほど経過したのち、発熱、下痢、リンパ節腫脹、体重減少などのエイズ関連症候群を生じる。無症候性キャリアからも感染する。
  4. エイズ関連症候群から寛解を繰り返し、免疫不全状態が進み、カリニ肺炎、重症カンジダ症、難治性ヘルペス症、カポジ肉腫などを発症して、AIDSと診断される。
  5. HIV感染はHIVに汚染された血液、精液、腟分泌液、母乳などを介して生じる。従って、  
    1. HIV感染者との性行為
    2. HIVに汚染された血液(麻薬、針刺し事故)または血液製剤の受注
    3. HIV感染者の母親から生まれた子供(母子感染)
    の3つが主な感染経路である。
  6. 咳、飲み物の回し飲み、プール、様式トイレ、握手、キスなどでは感染しない。蚊でも感染しない。
  7. 日本でも、国内での異性間性的接触による感染が増加している。性的活動の盛んな若年者に多い。
    米国ではエイズが25〜45歳の死亡率のトップになっている。Safer sexが必要。
  8. HIV抗体検査は保健所で匿名、無料で可能である。輸血をHIV抗体検査に用いてはならない。
  9. HIVは身体の免疫機構に重要なCD4陽性T細胞に感染し、破壊する。
  10. 抗HIV剤は逆転写酵素阻害剤とプロテアーゼ阻害剤があり、併用して用いる。
  11. ワクチンは現在開発中。
性感染症 (sexually transmitted disease:STD)

 感染症新法が平成11年4月1日より施行され、これまでの性病予防法は消失した。
感染症新法では性感染症の多くは4類感染症に分類される。
 1)細菌感染:梅毒、淋病、クラミジア感染症
 2)ウィルス感染:AIDS、B型肝炎、尖圭コンジローム、性器ヘルペス
 3)その他:カンジダ症、トリコモナス症、毛シラミ
 梅毒は減少しているが、淋病、クラミジア感染症およびAIDSは増加している。
性感染症は本人のみならずパートナーも検査と治療を必要とする。子供への感染もある。
クロッカス


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