エイズと性感染症
1.エイズと性感染症
- エイズ(AIDS:acquired immunodeficiency syndrome;後天性免疫不全症候群)
- AIDSはヒト免疫不全ウィルス(HIV : human immunodeficiency virus)の感染により生じる細胞性免疫不全を主な病態とする疾患である。
- HIVに感染すると、当初かぜ様症状を示すこともあるが、多くは無症状で経過し、感染後6〜8週間でHIV抗体陽性となる。
感染からHIV抗体陽性となるまでの期間をwindow periodという。
- 無症候性キャリアの状態を数ヵ月から10年ほど経過したのち、発熱、下痢、リンパ節腫脹、体重減少などのエイズ関連症候群を生じる。無症候性キャリアからも感染する。
- エイズ関連症候群から寛解を繰り返し、免疫不全状態が進み、カリニ肺炎、重症カンジダ症、難治性ヘルペス症、カポジ肉腫などを発症して、AIDSと診断される。
- HIV感染はHIVに汚染された血液、精液、腟分泌液、母乳などを介して生じる。従って、
- HIV感染者との性行為
- HIVに汚染された血液(麻薬、針刺し事故)または血液製剤の受注
- HIV感染者の母親から生まれた子供(母子感染)
の3つが主な感染経路である。
- 咳、飲み物の回し飲み、プール、様式トイレ、握手、キスなどでは感染しない。蚊でも感染しない。
- 日本でも、国内での異性間性的接触による感染が増加している。性的活動の盛んな若年者に多い。
米国ではエイズが25〜45歳の死亡率のトップになっている。Safer sexが必要。
- HIV抗体検査は保健所で匿名、無料で可能である。輸血をHIV抗体検査に用いてはならない。
- HIVは身体の免疫機構に重要なCD4陽性T細胞に感染し、破壊する。
- 抗HIV剤は逆転写酵素阻害剤とプロテアーゼ阻害剤があり、併用して用いる。
- ワクチンは現在開発中。
- 性感染症 (sexually transmitted disease:STD)
感染症新法が平成11年4月1日より施行され、これまでの性病予防法は消失した。
感染症新法では性感染症の多くは4類感染症に分類される。
1)細菌感染:梅毒、淋病、クラミジア感染症
2)ウィルス感染:AIDS、B型肝炎、尖圭コンジローム、性器ヘルペス
3)その他:カンジダ症、トリコモナス症、毛シラミ
梅毒は減少しているが、淋病、クラミジア感染症およびAIDSは増加している。
性感染症は本人のみならずパートナーも検査と治療を必要とする。子供への感染もある。
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