野球少年向け投球障害予防教室の研究報告が国際医学雑誌に掲載されました!(R4.8.30)

秋田大学では平成29年度より大仙市や男鹿市、北秋田市、由利本荘市の各自治体のご協力のもと、野球少年向け投球障害予防教室を開催しています。今年度は新たに大館市での開催を予定しています。
この度、当教室でのデータを基にした以下の研究報告が、国際医学誌Arthroscopy: The Journal of Arthroscopic and Related Surgeryに掲載されました。本研究では、少年投手を対象に全力投球時の肘関節の負荷を計測し、野球肘の既往歴が1年未満の群、1年以上前の群、健常群の3群間で比較しました。その結果、野球肘の既往歴が1年未満の群では、健常群に比べ投球時の肘関節の負荷が大きいことが明らかとなりました。しかしながら、身長や体重、関節の柔らかさ、球速、腕の振りの早さなど他の要因を含めて、肘関節の負荷に関与する要因を検討した結果、野球肘の既往歴は影響せず、球速が最も関与することが明らかとなりました。本研究結果は、野球肘の発症には既往歴の有無よりも速い球速が重要な要因であることを示唆しており、成長期野球肘の発症や再発予防のための有用なデータであると考えています。

Saito A, Okada K, Sato H, Shibata K, Kamada T, Namiki Y, Terui Y: Increased Medial Elbow Torque is Associated with Ball Velocity Rather Than a History of Medial Elbow Injuries in Youth Baseball Pitchers. Arthroscopy 2022; (Online ahead of print) https://doi.org/10.1016/j.arthro.2022.07.016

詳細についてはこちらから御覧いただけます。
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0749806322004741