秋田大学改革プラン2024 夢の実現
~選ばれる秋田大学を目指して~
令和6年4月に学長に就任し、私は「秋田大学に集う学生・教職員全ての人々の夢の実現を目指す」との抱負を掲げ、夢を実現する場と機会を提供することが大切だと述べました。
今は予測が困難な時代ですが、自分たちで未来を描き、その夢を実現することは可能であると信じています。
世界及び国内では、国際秩序の根幹を揺るがす終わりの見えない紛争、未曾有の気候変動や災害問題等歴史的・構造的な変化と課題に直面しており、秋田県においても、人口減少、高齢化、県内経済の低迷など、地方が抱える課題の先進地になっています。
加えて、秋田大学は、予算規模の縮小と働き方改革による教育研究時間の減少の中で、教職員の労働負担軽減と教育研究力の向上という相反する課題に取り組まねばなりません。
一方で全国有数の食料供給力、多様な再生可能エネルギー源を有するなど、国内課題のみならず世界課題をも解決に導くポテンシャルを有しているのが秋田県であり、そこに置かれた唯一の国立大学として、これまでと同規模以上の「国際的な水準の教育・研究の遂行」、「地域の振興と地球規模の課題の解決」、「国の内外で活躍する有為な人材の育成」を継続・向上するために、今、大きな変革が必要です。
全ての人々の夢の実現を目指すため、秋田大学の基本理念に基づく明確な目標及び計画として、ここに「秋田大学改革プラン2024(南谷プラン)」を策定するものです。
国立大学法人秋田大学
学長 南谷 佳弘
1.大学全体の組織改革
戦略1
学内各種センターを総合改編し、学長直轄の「教育・研究・経営戦略室」を設置
戦略2
戦略室の下に「未来研究統括機構」、「教育・学生支援機構」、「地域共創機構」を設置することにより、トップダウンで戦略的に教育・研究・地域貢献を推進するシステムを構築
2.研究力アップと外部資金獲得
戦略1
秋田大学の強み特色となる研究への重点的投資
戦略2
研究を統括する未来研究統括機構の設置等による徹底した組織のスリム化と機能集約
3.教育に係わる改革
戦略1
教教分離制の導入、教養基礎教育の改善、実務家教員による授業、オンデマンド教育の促進等による学部教育改革
戦略2
多様な学修ニーズに対応した履修体系の構築、研究科の枠を超えた研究指導等による大学院教育の改革
戦略3
異文化交流の促進の更なる強化
戦略4
学生に対するカウンセリング等専門的学生支援の強化
戦略5
外国人留学生の受入プログラムの整備、社会人向けの再教育のためのプログラムの整備、地域連携による魅力的な学びの場の創出
4.事務改革
戦略1
事務組織の効率的、効果的な再編及び適切配置
戦略2
徹底した不要業務の削減及びAIの導入等によるDX化の推進
5.教員活動評価・採用及び昇任
戦略1
教育力・管理能力・診察能力・社会貢献を研究力と同様に評価できるような教員活動評価の改善
戦略2
教員採用及び昇任基準の適正化、若手教員・子育て世代へのキャリアサポートの強化
6.学部・研究科等の教員配分数
戦略1
非常勤講師手当、附属病院医員のポイント化による人件費抑制
戦略2
財政状況等を見据えた定期的な人件費ポイントの見直し
7.女性教員・女子学生増加、多様な学生・教職員の配慮
戦略1
多様な学生・教職員の増加を見据えたソフト・ハード両面での施設整備
8.財政再建
戦略1
大きな偏りがあった予算配分の正常化
戦略2
寄附金の募集、クラウドファンディング及びネーミングライツの導入、不動産の有効活用、資金運用の実施、大型補助金へのチャレンジ、寄附講座の受入等による収益増大策の推進
戦略3
附属病院の不採算部門の縮小と採算部門の強化などの選択と集中、診療科別責任病床の配分の見直し、当該病棟や病院全体の病床稼働率の改善などの経営強化
戦略4
教育研究・事務組織のセクショナリズムの廃止及び施設整備等の節約による支出の抑制
9.地域貢献
戦略1
各学部・研究科の特色を最大限に活かした地域社会との連携による地域課題解決への積極的貢献
10.国際化の推進と国際貢献
戦略1
海外大学等との交流・学術連携の新規開拓、ダブルディグリー等の教育プログラムの普及・拡大の推進、外国人教員比率の増加、外国人留学生の受入や日本人学生の留学の促進
戦略2
国際資源学研究科における国内随一の資源学拠点としての国際力強化
11.広報・ブランディング戦略
戦略1
入試広報も包括する広報・ブランディング戦略の策定による効果的・効率的な広報活動の展開