過去に発生した地震を探る~地震で地面が隆起する【鎌滝 孝信】(24.10.29)

今回のコラムは、秋田県でみられる地震で隆起した地形について紹介します。

1804年7月10日(文化元年6月4日)に秋田県と山形県の県境付近の日本海沿岸で発生した象潟地震は、死者400人、倒壊家屋5、500戸程度という非常に大きな地震災害を引き起こしました。また、この地震では秋田県にかほ市象潟周辺で最大5m程度の津波が襲来したとされています。
象潟地震以前のこの地域は、浅い潟湖に小さな島が点在し、松尾芭蕉の俳句にも詠われている風光明媚な場所でしたが、地震による地盤の隆起で一日にして現在のような地形になったと言われています。その後、もともと潟湖だった低地は水田として開墾され、「九十九島」と呼ばれる小さな島々は丘として残され当時の様子を偲ばせています(写真1および2)。また当時の様子は、にかほ市の象潟郷土資料館の展示等で知ることができます。

写真1
現在のにかほ市周辺の地形
(2012年10月鎌滝撮影:秋田県にかほ市)
写真2
地震で隆起し干上がった潟湖跡(水田)と小さな島々
(2011年11月鎌滝撮影:秋田県にかほ市象潟町)

今から200年ほど前に発生したこの地震で、象潟周辺は広く地盤が隆起し、潟湖が干上がり陸化したのですが、これは断層の活動によって地盤にずれが生じた結果、地面が隆起したことによって引き起こされた現象です。このようにつくられた地形は、秋田県周辺の日本海側沿岸部では、秋田県八峰町八森~岩館付近(1704年 岩館地震により隆起)、青森県深浦町大戸瀬周辺(写真3:1793年 西津軽地震)、新潟県佐渡市小木周辺(1802年 佐渡小木地震)、秋田県男鹿半島北西部(1939年 男鹿地震)などにみられます。
秋の休日にこのような場所を訪れて過去の地震について思いを巡らすことも、防災意識の高揚につながるのではと思います。

写真3
地震で隆起し干上がった旧海底面(2012年8月鎌滝撮影:青森県深浦町千畳敷)
写真の海面上に露出した平らな岩礁(千畳敷)は,地震で隆起する前は海底面だった。