過去に発生した地震を探る~番外編「地震に備えていますか?」【鎌滝 孝信】(25.1.16)

私はこれまでのコラムで、「過去に発生した地震を探る」と題して地層や地形に残された地震の痕跡について紹介してきました。今回のコラムでは、秋田県が昨年12月28日に「地震被害想定調査」に関して、津波の想定高さ等の津波関連データを公表したことから、みなさまのさらなる防災意識高揚の一助になればと、地震・津波に対する「備え」について触れたいと思います。
みなさんは高さ10mを超えるような津波や震度6~7の揺れがどのようなものか、正しくイメージすることはできるでしょうか?もちろんこのような災害に直面された方はそれができるのでしょうが、大部分の方は難しいのではないでしょうか。しかし、これができないと正しい「備え」をすることは難しいのです。みなさんは「地震への備え」と聞いて、何を真っ先に思い浮かべますか?水・食料・非常持ち出し袋・・・様々なものが思い浮かびますが、住宅の耐震性強化や家具の転倒防止などは何番目に思い浮かびましたか?地震への備え、特に個人では、住宅の耐震性強化、家具の転倒防止等の地震の揺れに関する対策を徹底して、強い揺れで命を失わないということが最優先される事柄です。その上で、非常持ち出し袋の整備等を進めればよいのです。なぜならそのような備えは、最初の強い揺れを生き残ってこそ役立つものだからです。防災グッズ等、街には便利なものがいろいろと売られていますが、それらはすべて生き残らなければ使うことができないもので、まずは命を守るための備えが地震対策の第一歩と肝に銘じていただきたいと思います。
最近ではインターネットの普及もあり、地震による揺れや津波そしてその被害の画像や映像を見ることは比較的容易におこなえます。また、旅行等のついでに近くの防災施設に足を伸ばし、地震の揺れなどを体験することもおすすめします。一度でも震度7クラスの揺れを体験すると、揺れている最中には何もできないということが容易に理解できると思います。正しい「備え」は、「地震を知ること」から始まります。
大切な家族や自分の命を守るために、今度の休日にまずは家具の転倒防止や寝室の見直しに取りかかってみませんか?

防災施設における地震体験(2012年8月鎌滝撮影:東京消防庁本所防災館にて)