地域創生センターが取り組む「防災教育」について【鎌滝孝信】(26.4.18)

秋田大学地域創生センターでは,センターが実施している「秋田県沿岸部に位置する小学校等への防災教育プロジェクト」や,秋田県教育委員会が実施している「防災教育外部指導者派遣事業」を通して,保育園,幼稚園,小中高等学校など各種学校における防災教育に積極的に携わっております。また,大人に対する「防災教育(防災意識高揚のための啓発活動)」も,秋田県総合防災課が実施している「自主防災組織育成指導者研修会」をはじめとする各種研修会,講演会等を通して多数実施しております。それらの実施回数は,平成23年9月に地域創生センター地域防災部門が発足してからの2年半で,合計170回を数えるまでになりました。子ども達に対する活動に関しては,一定の効果が現れているように現場で感じています(まだまだ十分ではありませんが・・・)。
ここでは2011年3月に発生した東北地方太平洋沖地震の記憶について,今後防災教育を進めていく上で興味深い調査結果が得られたので紹介します。

2013年度から秋田大学工学資源学部と共同で,防災意識に関するアンケート調査を実施してきました。アンケートは防災教育に訪れた小・中学校に協力していただき,児童・生徒および保護者から回答を得たもので,その集計結果の一部を公表しました(伊藤ほか,2014)。今回のコラムで紹介する結果はその一部で,秋田県内のある複数の小学校の児童を対象にしたアンケートの回答を集計したものです。児童に対し,「2年前に東日本大震災をおこした大きな地震をおぼえていますか」という質問をしたところ,1年生で30%程度,2年生で15%程度の児童が「おぼえていない」と回答しています(図1)。


図1.東日本大震災の記憶について小学生が回答したアンケート集計結果(伊藤ほか,2014より)
グラフ内の数字は回答した人数,総回答数1034人


秋田県は東北地方太平洋沖地震による被害が大きくなかったとはいえ,震災当時に幼稚園の年少~年中だった彼らが,「東日本大震災をおぼえていない」と答えた意味を受け止めて,我々は今後の防災教育に生かしていきたいと思います。
子ども達に「災害から命を守るすべ」を教えることは,我々だけの活動では収まりません。是非,家庭や学校そして地域で「防災・減災」というものを積極的に話し合っていただきたいと思います。そのお手伝いを,地域創生センター地域防災部門はおこなってまいります。
 アンケート調査に協力していただいた秋田県内の小・中学校の先生,児童・生徒,保護者の皆様にこの場を借りて深く感謝申し上げます。



【保育園児への防災出前授業の様子】
【小学校児童への防災出前授業の様子】
【自主防災組織研修会での防災講演の様子】




引用文献
伊藤あさみ・鎌滝孝信・渡辺一也,2014,地域特性を考慮した地震・津波防災教育についての検討.土木学会東北支部技術研究発表会講演概要集,Ⅱ-68.

地域創生センター地域防災部門では、小中学校、自治体、企業等への講演会、出前授業等を通じて、広く秋田県の安全・安心のための防災教育活動を行っています。県内の防災・地震におけるご相談がありましたら、お気軽にご連絡ください。