病児学習ボランティアサークル

活動への熱い想いを語る美谷さん

 

取材後の一枚(左から中嶋、美谷さん、斉藤)

 

 令和3年度から活動を開始した「病児学習サポートボランティアサークル」で、代表を務める美谷沙希さん(教育文化学部・学校教育課程こども発達コース4年生)、顧問の藤井慶博先生にインタビューを行いました。
 病気やケガによる入院や療養のために学校に通えず、勉強の遅れや友人関係に悩みを抱える子どもが多くいます。病児学習サポートボランティアサークルはそんな「学びたい、人とつながりたい」という子どもたちの思いに応えるべく活動しています。最近では秋田大学医学部附属病院の小児科との連携も始まり、2週間から1カ月程度の入院を要する小・中学生を対象に学習支援を行うといいます。学習支援に加え、子どもへの支援について定期的に学び合う学習会も活動内容のひとつです。
卒業後には教職の道に進む代表の美谷さんにとって、サークルでの経験は大きな学びになっているといいます。活動中は集中力が続かない子への接し方、体調が悪そうな子どもを目の当たりにしたときの対応など、悩みは尽きなかったそうです。その中で自身の成長を感じたのは臨機応変な対応ができるようになった点だといいます。勉強に気持ちが向かない子には無理に取り組ませるのではなく、趣味の話や折り紙、塗り絵などの活動で関係を作っていったのだそうです。「ボランティアで経験しなければ、悩みも知らないまま現場に立つことになった」と美谷さんは前向きにとらえています。
 サポートに難しさがある分、感じるやりがいも大きいといいます。病気療養のため、ほとんど学校に通うことができなかった子の英語を担当していたときのこと。「英語の点数が伸びた!」と言ってくれたときは嬉しかったといいます。担当していた子は、今では毎日元気に通学しているといい、「それ自体が大きな喜び」と美谷さんは笑顔で語ってくれました。
 サークルの今後の目標は、治療や勉強に悩む子どもたちがいる現状を知ってもらい、たくさんの学生に活動に参加してもらうことです。理工学部なら理科・数学、国際資源学部なら英語など・・・。今まで勉強してきた教科や自身の得意分野を生かせる場がたくさんあります。「“一緒にいることが、特別なことなんだ”。そんな思いで楽しい時間を作ることを心掛けています。まずは気軽に興味を持ってもらえたら嬉しいです」と語ってくれました。

(取材:学生広報スタッフ=斉藤、中嶋 カメラ:学生広報スタッフ=杉山 広報課=林)