県内4大学連携協力事業「秋田はなぜだか凄くなる!」グランプリを受賞した武石さん・丸岡さんへのインタビュー

取材を受けてくれた丸岡さん(左)と武石さん(右)

 

取材の様子

 

 昨年12月、20年後の秋田の未来を切り拓くアイデアをプレゼンテーションする、県内4大学連携協力事業「秋田はなぜだか凄くなる!」の最終審査会が開催されました。そこで私たち学生広報スタッフは6月15日、最終審査会において「えさこねが?」というアイデアで、グランプリを受賞した国際資源学研究科修士2年生の武石亜里奈さんと、教育文化学部学校教育課程2年生の丸岡初香さんにインタビューを行いました。
 二人がこの事業に参加したのは、武石さんから丸岡さんへの誘いがきっかけでした。「丸岡さんは、地元に対する情熱がある。その情熱を言葉だけでなくて、この機会を利用して、行動してほしい、変わってほしいと思った。」武石さんはそう語ります。
 二人が提案した「えさこねが?」とは、「秋田のおじいちゃん・おばあちゃん」の家を体験できるサービスです。これから20年後も進むとされる秋田の高齢化やそれに伴う労働人口問題、これらは秋田の「弱み」であるといえます。その一方で、機械化やAI化により「人 to 人」のビジネスは希少価値が高まると予想されます。そこで二人は、秋田の「弱み」を「強み」と捉えるという発想から、「高齢者 to 人」のサービスを思いつきました。
 「えさこねが?」という言葉には、秋田弁で「家に来ませんか?」という意味があります。秋田を凄くするためのアイデアということで、秋田らしさや秋田ならではのものに焦点を当てていることが伝わります。
 またこのアイデアには、「秋田のおじいちゃん・おばあちゃんの家」を体験した人に家や土地をプレゼントし、秋田に移住してもらうという計画、さらにはその人に地域の「村長」になってもらう計画も含まれています。ここでの「村長」とは、各村に存在する首長としての村長ではなく、真ん中に立って地域を変える人を指します。
 学部や学年が異なるだけでなく、そもそも考え方のプロセスも違うという二人は、お互いの頭の中にある考えを同じにする点で、かなり苦労したようです。しかしながら二人は、対等に話すということを大切にしていました。丸岡さんは、「武石さんに質問をして、どんな主張をしているのか、彼女が言葉で言わなかった部分もくみ取るようにしていた。」と話します。頭に思い浮かんだ言葉を大切にする武石さんと、その言葉の意味が失われないよう文章にしていく丸岡さん。二人で一緒に納得のいく答えを探すことは、二人だからこそできるものだと感じられます。
 審査会への参加では、活かしたいと思う秋田のものは、人によってまったく異なるということを実感したそうです。「えさこねが?」は秋田の「弱み」に注目したものですが、もちろん秋田の「強み」を活かそうとするアイデアも複数あったとのこと。しかしそのどちらを活かすにしても重要なのが、いかに現実的に考えるかということ。実現可能で持続可能なものを生み出せるかという点に、力を入れていたそうです。
 これからの秋田を担う大学生に求められることについて、丸岡さんは、「自分の興味のあることや、熱量を向けられることに力を注いでほしい」と語ります。丸岡さん自身もアイデアを出す際には、自分の興味のある分野から、秋田の問題へのアプローチを行ったそうです。自分の興味のあることが、実は秋田のためになるかもしれない、というこの考え方から、秋田のための行動には様々な可能性があることがわかります。武石さんは、自身の足で様々な場所を訪れ、人と交流してきた経験から、「今の大学生には世界を知ってほしい」と考えているそうです。秋田を変えるには、秋田を客観的に評価することが必要です。そのために、秋田県内外問わず、自分の足で行動して、地域を知るという経験をしてほしい、そう強く語りました。
 最後に、「秋田はなぜだか凄くなる!」全体への参加を踏まえ、これからについて聞くと、「夢中になれることを軸にして生きていきたい。」と武石さんは語りました。自分の武器を見つけることができたと話す様子は、自信に満ちていました。また、丸岡さんは、「口で言うだけでなく、アクションを起こすということを、自分の歩幅で挑戦していきたい。」と語りました。熱意をもったものに対して行動するということへの決意が感じられます。「秋田はなぜだか凄くなる!」への参加は、二人にとって、自身を成長させる大きなきっかけとなったようです。

(取材:学生広報スタッフ=加賀谷 カメラ:広報課=齊藤)