雄物川地区の特産品であるスイカの研究

　雄物川の特産物であるスイカ。その中でも小型の未成熟なスイカの抽出物（BWEエキス※）には高血圧を抑制する高い効果があることを秋田大学(担当研究者：池本敦教授ほか)と横手市の共同研究により発見しました。
　その他にもスイカには様々な健康増進効果があることも分かっています。

※(BWEエキス)…Baby Watermelon Extractの略

この度、各種の植物性素材を調べた研究の結果、通常果物として利用される成熟したスイカと比較して、小形の未成熟なスイカは水溶性成分にACE活性阻害作用が強いことが分かりました。さらに、アミノ酸の一種であるシトルリンも小形未成熟スイカの方が高含量で、他の植物とは異なった独特なアミノ酸バランスを有しています。 ACE阻害物質とシトルリンの両者が豊富な食素材はこれまでに報告されておらず、これらを濃縮した未成熟スイカ抽出物であるBWEエキスは、新しいタイプの食素材として、健康増進に大変有用であるといえます。

ACE活性阻害作用とは？

ACEとは、タンパク質分解酵素の一種であるアンジオテンシン変換酵素（Angiotensin-Converting Enzyme）のことです。ACEは血中に存在する不活性な前駆体タンパク質を分解してアンジオテンシンⅡを産生します。アンジオテンシンⅡは血管平滑筋収縮やナトリウム蓄積に作用し、血圧を強力に上昇させる物質です。このアンジオテンシンⅡの産生を抑制(ACE活性を阻害)することにより血圧上昇を抑制する効果が期待できます。

シトルリンとは？

シトルリンとはアミノ酸の一種で、植物の中ではスイカに最も多く含まれています。シトルリンは体内で血管平滑筋弛緩作用をもつ一酸化窒素を生合成するための材料となり、血流を良くする作用が知られています。また、シトルリンは抗酸化作用を有し、活性酸素による障害を防ぐ働きがあることも報告されています。

商品化の検討