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2015.4

スロースターターでもそれなりに。

  • 筒井 幸(つつい こう)
  • 秋田大学医学部附属病院
  • 精神科 助教
研究内容を教えてください

精神症状を生じる身体の疾患、とくに自己免疫性の脳炎を研究しています。
2007年に発見された抗NMDA受容体脳炎という病気は、その症状や経過が、精神科領域で従来いわれていた「悪性(致死性)緊張病」と呼ばれていたものとほぼ一致することが分かりました。
これを契機とし、ごく一部ではありますが精神科疾患の患者さんの中に実は身体疾患だったケースがあるということが判明しました。
現在、この疾患を診断しながら症例を集積しているところです。

進路を決定したきっかけや今の研究をしようと思った
きっかけがありましたら教えてください

元々臨床指向が強く、研究向きの能力がないことも分かっていたため、研究する気は全くありませんでした。このため、総合病院の精神科を主に選んで働いている中、今研究している疾患の秋田県最初のケースの入院をたまたま担当することになりました。そこから少しずつ臨床研究に興味が向かい、金沢医科大学で細胞培養などを勉強させて頂き現在に至ります。
ですので、本格的に研究を手がけるようになったのはこの数年で、研究者としてはスロースターターです。当初は基本的なことも分からないような状態でしたが、金沢医科大学の総合医学研究所、本学の情報制御学・実験治療学講座及び精神科医局の皆様にご指導頂き、支えられ、研究を続けております。未だに手探りで臨床の合間に研究という感じですが、少しずつでも新しいことを見つけていければと思っています。

仕事と生活を両立するために実践している事、心がけている事はありますか

どうしても仕事に偏りがちなるので、きちんと休む日を作るようにしています。
休日は臨床のことも研究のことも考えないようにして、オンとオフをなるべく区切れるようにと思っています。

研究者を目指す女性大学院生・学部生の皆さんへメッセージを一言お願いします

研究の内容を問わず、英語の勉強はしっかりやっておきましょう。
国際的な発表の場に出るだけでなく、最新の論文や研究をしっかり把握するためには英語の能力は必須です…と、リアルタイムで苦労しているのでお伝えしておきたいです。
また、例え研究のスタートが遅くても、やる気次第で道は拓けます。興味を持てる分野にめぐりあえることもひとつのご縁だと思いますので、大事にしてください。

●プロフィール

秋田大学医学部卒業

秋田県内の総合病院でずっと臨床

久々に秋田大学に戻ってきた際にたまたま現在の研究内容にめぐりあう

金沢医科大学総合医学研究所

秋田大学

●マストアイテム(ラボノートとタイマー)

ラボノート(とタイマー)です。
その日行った実験の内容を、出来るだけ詳しく記載しています。
うっかり者なので、時間を忘れないよう実験中はタイマーも常に手元に置いています。

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