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コラム「この先生にきいてみよう」

第3回 高校での「情報」と大学における学習について

林 良雄(教育文化学部 教授)

 教科「情報」必修科目となっている。また、通常の教科の中でもICT(Information and Communication Technology)技術、平たく言えばコンピュータやインターネットの活用がはかられているはずである。これらはどのように大学における学習につながっているかについて、簡単に述べたい。

 「情報」にはA、B、Cの三種類あるが、必ず「A.情報の活用」、「B.情報の科学的理解」、「C.情報化社会への参画」の三つの内容が盛り込まれている。

  Aでは情報を収集し、加工・分析し意思決定やプレゼンを行うものでその中でワープロや表計算、プレゼンソフトを利用する。このような能力を前提に大学では学習し、更に社会においては活用できて当然となっている。

 Bは今の工業技術では必要不可欠である。また、文系でもコンピュータの構成くらいは知っておいた方が良い。例えば車の運転免許を取る際には車の内部についても多少の知識を学習する。保守には必要だからである。コンピュータについてもやはり、コンピュータの構成などを知っておくことが機器の維持管理の際には必要である。

  Cは現在の情報化社会を生きる上で必須の知識や態度である。例えばフィッシングや架空請求などのインターネットにおける脅威などについて、どう注意・対処すればよいかを知るのがCである。大学ではネットワークが自由に使える。Cの内容が十分に理解できていないと自分自身だけではなく、大学のネットワークを利用する他の人にも影響が及ぶ。さらに一人暮らしをする人などには生活上の危険も出てくるだろう。

 「情報」を単なるワープロなどのアプリケーションソフトを使う授業としてみている人が多いと思うが、実は上記のように広い範囲を取り扱い、そのまま大学生や社会人としての素養、マナーとなる重要な科目である。もし、内容を覚えていないという人は是非とも大学入学以前に教科書を読み返してほしい。非常に重要な技術や概念についての記述がある。