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コラム「この先生にきいてみよう」

第12回 教えられる側から教える側へ

成田 雅樹(教育文化学部 教授)

 私は秋田大学で国語に関する科目を担当しています。国語というと皆さんは何を思い浮かべますか。漢字や文法の学習、スピーチやディスカッションの学習、感想文や小論文の学習、小説や評論を読む学習、古文や漢文の学習を挙げる人が多いのではないでしょうか。

 確かに大学でも同じような内容の科目があります。多くの大学では、講義におけるレポート作成やグループ討論などの実践力の養成に資するスタディスキルの科目や、国語学、国文学、漢文学などの授業を開講しています。しかし、大学の国語関係の科目はこれだけではありません。

 秋田大学教育文化学部では、国語科教育学の科目を開講しています。ここでは、自分が国語を学ぶのではなく、小中学校や高校で国語を教える方法を学ぶのです。

 これまで皆さんはご両親やご家族、地域の方々、学校の先生方に育てられてきましたね。そんな皆さんも、多くの方がいずれは家庭人となり、親になるでしょう。しかし、それは簡単ではありませんし、急にできることでもありません。まずは、やってもらう・言われたらやる(受動)姿勢から、自分からやる(能動)姿勢へ転換しなければなりません。さらに、やってあげる(利他)能力を身につけた上で、あえて手を出さないという判断が下せなければならないのです。月並みですが、それは「しっかりした大人」になるということでしょう。 

 教師になることも同じです。教える側に立つための計画的な準備が必要です。その一つが私が担当している国語科教育学です。