2018/05/08

息子の成長、親知らず

 

 

 皆様こんにちは。男女共同参画推進室、事務系スタッフの長岐と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

 私は昨年4月に、夫の転勤で秋田市に引っ越して参りました。結婚してから3回目、子どもを連れて初めての引越でした。3歳の男の子を連れた引越が大変だったことを懐かしく思い返します。

 今は元気すぎて困ることもある息子ですが、生後1ヶ月を目前に手術を受けました。診断してくださった医師から提示された治療方法は、「効果がでない場合もある薬物療法」と、「ほぼ確実に症状が改善する手術療法」の2つでした。私は迷わず手術を選びました。出産後は息子と二人で私の実家に戻っており、離れて暮らしていた夫には手術を受けることを電話で報告しました。夫は手術にひどく抵抗があるようでしたが、弱った息子を目の前にしていた私の決意が揺らぐことはありませんでした。しかし、手術が始まり一人になると、「手術が最善」と決めた気持ちの一方で、「息子の体に痕を残してしまう」という申し訳ない気持ちにもなりました。

 退院後は問題なく育ってきましたが、3歳になるとお風呂上がりに、「ぼくのお腹にはなぜ線(手術痕)があるの?」と聞くことが何度かありました。その都度説明をしてきましたが理解しているかは分かりませんでした。ところが先日、保育園の内科検診でお医者さんに手術痕について「これどうしたの?」と聞かれ、「赤ちゃんの時に頑張った『あと』」と答えたのだと保育士さんに教えていただき、息子の成長に驚きと喜びを感じました。同時に、親が思っている以上に、子どもは親が話すことを子どもなりに理解しているのだということも、思い知らされました。

 「どうして」「何で」「教えて」が増え、時に答えるのが面倒に思うこともありますが、私自身のためにも、きちんと対応することを心がけたいと改めて思った出来事でした。


(男女共同参画推進室 長岐)

 

2017/06/15

多様性を保障するために…

 

 

 はじめまして。今年度4月より,男女共同参画推進室長を拝命いたしました山名裕子です。よろしくお願いいたします。

 数年前ですが,私が所属しているある学会での委員会に初めて出席したとき,その委員会のメンバーを見てはっとしたことがあります。10名弱ほどの委員会でしたが,文字通り「老若男女」の構成だったのです。単に,「見た目」が様々だからといって,そこでの議論や考え方が「多様である」ことを保障するものではありません。しかし,それでも「男女どちらかの性が圧倒的に多く,かつ年代もほぼ同じような構成集団」よりは,私は多様な見方ができるのではないかと感じました。もちろん学会と大学の規模は違います。しかし,そのような多様な構成員を今以上に確保していくことも当然必要になってきます。

 名前こそ「男女共同参画推進室」ですが,「男性・女性」という性にとらわれない見方や考え方も,多様性を考える上では大切な視点になります。「男性だから〜,女性だから〜」というようなステレオタイプ的な露骨な言い方や考え方をする人は,少なくなりつつあるかもしれません。しかし,どちらかの性が圧倒的に多い構成集団ということは,そういう意識がまったくない,と言い切ることもできません。もちろん男性・女性のどちらでもない性の捉え方をされる人もいます。このような性差だけではなく,障がいの有無,年代,人種,宗教,病歴等々にかかわらず,それぞれの立場,それぞれの見方や考え方を尊重するような多様性を保障する社会を,再構築する必要があります。

 そしてそれは,社会の常識からかけ離れているといわれる大学を含めた「学校」と呼ばれる場所で,ますます求められます。すぐに変わらないことかもしれませんが,少しずつでも何かが変わっていき,一人ひとりが幸福感をいだくことができるような,多様性を保障する様々な取り組みを,考えていきたいと思っております。


男女共同参画推進室長 山名裕子

 

2017/03/30

「お世話になりました・・・定年退職いたします」

 

 

 美しい花が咲きほこる季節がやってまいります。
 わたくしはこの3月31日で定年退職いたします。長い間、たいへんお世話になりました。振り返ってみますと、この仕事をしていたおかげで、人文学(日本古代史)の学徒であるわたくしが、医学・理学・工学・農学等、多くの異分野の研究者のみなさま方と出会い、さまざまなご教示をたまわることができました。また、行政関係をはじめ、さまざまな職種の方々のお話をうかがうことができました。とりわけ、平成21年度〜23年度、平成25年度〜27年度の女性研究者支援事業では、秋田県内にとどまらず、ノルウェー王国大使館にもシンポジウム基調講演講師派遣をお願いするなど、数えきれないほど多くの方々のご支援をたまわりました。まずは、お礼を申し上げたく存じます。

 さて、3月初旬に参加した学会で退職する旨、おしゃべりしておりましたところ、ある御仁に「よかったね。こんど勉強できるね」と言われました。たしかに人文系の研究は大規模なものでなければ、経費面は可能です。とどめの一言は「まだ書けるでしょ」です。思えば、男女・・・の仕事をしているときは、ワークライフバランスというよりも、「ワーク(男女共同参画の仕事)・ワーク(研究)バランス」をどう保つのか、多少、苦労したこともありました。そのようなわたくしを、日本古代史学界の諸兄姉はあたたかく見守ってくださったことを、あらためて感じました。

 65歳以上が高齢者なのかどうか議論があるところですが、これまで出来なかったことにチャレンジしてみたいと思うこのごろでございます。
 これまで、ほんとうにありがとうございました。これからもお目にかかることがありましたら、よろしくお願い申し上げます。
                                 渡部育子