センター長あいさつ
GREETING

 本学が参画し秋田県が申請した「小型軽量電動化システムの研究開発による産業創生」の事業が、令和2年1月に、内閣府の「令和元年度地方大学・地域産業創生交付金」の交付事業に採択されたことを受けて、令和3年4月に、本学に秋田県立大学と共同で運営する機関として「電動化システム共同研究センター」が設立されました。

 秋田県の現状を振り返ってみると、平成29年(2017年)4月に県内人口が100万人を割りました。かつての秋田県経済は「全国の1%経済」と言われていましたが、20年前には「0.8~0.9%経済」になり、さらに最近では「0.6%経済」と呼ばざるを得ない状況です。産業別の内訳で見ると、製造業と建設業を合わせた第2次産業の割合は年ごとに逐次低下をしています。

 このような状況の中で、7年前に県内の当時のベンチャー企業がモーターコイルに関する画期的な発明をしたことを契機に、平成30年(2018年)に航空機システム電動化研究の中心地になることを目指して、本学と県立大学の先生方が集まり、5つのワークショップを有するARI(アキタ・リサーチ・イニシアチブ)が設立されました。これが今の本センターにつながっています。

 本センターの組織ですが、研究開発部門、試作試験部門、地域人財開発部門、経営企画部門の4部門と、主要な試験研究設備として、秋田市雄和の旧種平小学校を改修して「新世代モーター特性評価ラボ」を、令和4年4月に開設しました。

 この設備の最大の特徴は、単通路型旅客機の実寸大の配電線が設置できる広さを確保して、航空機を含む将来の電力網実証試験に対応可能なことで、性能評価試験、モーターで駆動する装置の耐久試験(耐環境試験)、グリッド(送電線)を使用したシステム試験などを実施して、共同研究センターの研究推進のために活用するほか、県内外の企業にも活用いただき、国内有数の「電動化」試験拠点になることを目指します。

 秋田県は再生可能エネルギーが豊富な地域であり、「電動化」はそれと親和性があります。本センターで得られた新しい知見を、地域の企業と共有して更にそれを発展させることで、秋田県の将来ビジョンを実現する上でも重要な役割を果たしていきます。

電動化システム共同研究センター長 榊 純一

電動化システム共同研究センター長 榊 純一

スローガンについて

「あきたを翼にのせてはばたけ」のスローガンには、秋⽥県とともに秋⽥県⺠を⽻ばたかせたいという「⼈材開発と地⽅創⽣」の意味合いが込められています。ここで⾔う翼とは、電動化システム共同研究センターの研究開発の中⼼となっている航空機に限らず、秋⽥県あるいは秋⽥県⺠が持っているポテンシャルであることも意味します。地域⼈財の開発⽬標といえます。

あきたを翼にのせてはばたけ