今年も外部審査の季節です~環境活動継続中~

2014年12月05日

教育文化学部技術部(環境管理委員会事務局) 小林到


 教育文化学部は、平成26年度4月1日に学校教育課程と地域文化学科に生まれ変わりました。新しい
組織になった平成26年度も、私たちは環境活動を継続しています。
 その有効性について毎年12月に審査を受けており、今年も12月16,17日に外部機関による審査が予定されています。ですので、一般に秋田の12月は「雪」や「寒い」という冬のイメージがありますが、私たちにとっては「外部審査の季節」でもあるのです。

 学部の組織が変わり、教職員の所属する組織も変わりましたが、取り組む環境活動に大きな変化はありません。今年も活動目標をたて、日々の教育・研究活動の中で実践しています。組織が変わっても環境活動が滞りなく行われているのは、それを定めた環境管理マニュアルがあるからです。そういったマニュアルの有効性なども、外部審査では確認されています。

 だた、昨年まで4課程あったので大きく4つの括りで環境負荷や有益な活動を把握していましたが、今年から1課程1学科となったので2つでは大きすぎます。そこで、講座という新しい組織単位でもう一度括り直し、5つの講座単位で取り組みを把握しています。
 もちろん、附属学校園もこれまで同様環境活動に取り組んでいます。各校園の特色を生かし、毎年新しい環境への取り組みも見られるようになっています。

 外部審査を受けると、その結果が出るのはおよそ1ヶ月後です。これからは、ちょっとドキドキしながら、
しかし5年間の環境活動の経験に自信をもって教育・研究業務にあたります。


新しい組織図







 

あきたの食を活かす地域活動

2014年10月27日

地域文化学科 地域社会講座  池本 敦



 最近行いました食に関する地域活動をご紹介します。
 10月20日(月)に秋田市女性学習センター・サンパルカレッジで、一般市民向けに地域食資源を活用するための勉強会を開催しました。私たちの身近な食材の中には健康機能を持つものがあり、うまく活用すれば健康増進だけでなく、特産品開発にもつながることを説明いたしました。


秋田市女性学習センター・サンパルカレッジの様子


 今回は、特にアケビの皮の料理に興味を持っていただき、次回の勉強会では調理講習会を行うことになりました。2月初旬の予定ですので、ご興味がありましたらご参加下さい(連絡先:秋田市女性学習センター、TEL 018-824-7764)。

 10月21日(火)は、私たちが秋田県内で展開しているアケビ関連事業の視察および意見交換のために、島根県議会議員の絲原徳康先生と松江市・カナツ技建工業の金津さんと浜崎さんを秋田大学にお迎えしました。同社はアケビ栽培を手がけられており、アケビ茶などのこれまでの取り組についてお話をお聞きしました。私たちの活動についても紹介させていただき、今後の展開について議論いたしました。

 翌日の10月22日(水)には、由利本荘市の矢島小林工業でのアケビ栽培の様子を視察していただきました。同社は短期間でアケビ栽培を拡大させた成功事例となっており、新規事業としてアケビ食品に取り組んでいます。アケビは9月中旬~10月前半が収穫のシーズンで、今回は最後のアケビが少し残っている程度でしたが、栽培についての有益な意見交換ができました。


由利本荘市・矢島小林工業でのアケビ栽培の視察



収穫されたアケビの様子


 アケビ園から少し足を伸ばして、鳥海山麓まで行くと、とても美しい紅葉を見ることができました。近くには、県の名勝・天然記念物に指定されている法体(ほったい)の滝がありました。とても美しく箱庭のようでしたが、現実には中山間地は様々な課題を抱えています。今回は、中国地方5県の拠点となっている島根県中山間地域研究センターの取り組みについても教えていただき、大変参考になりました。


鳥海山麓の紅葉



法体の滝


 10月23日(木)には、秋田ビューホテルで開催された美の国あきた食のビジネスマッチング商談会に参加しました。公益財団法人あきた企業活性化センターが主催し、秋田県内の食品関連業者が様々な食材を展示し、大都市圏で健康食品や美容関連商品などを開発するメーカー担当者を招いて見ていただくイベントです。県内からは30社・4研究機関が出展し、県外からは東京をはじめ、大阪、福岡などから28社が参加しました。


美の国あきた食のビジネスマッチング商談会


 私たちは秋田大学ブースで間引きスイカを活用した高血圧予防健康食品素材のBWEエキス(BWE; Baby Watermelon Extract)を展示し、来訪者に試食していただきました。教育文化学部の学生も参加し、実際の企業との商談会の様子を体感してもらいました。産学連携推進機構の昌子智由先生にオーガナイズいただき、スイカ糖を製造するおものがわ夢工房の佐藤イチ子さんや横手市雄物川地域局の永瀬さんにもご協力いただきました。また、工学資源学研究科の高橋博先生は米糠酵素で製造したGABAを活用したアイスクリームを出展され、販売を担当されている(株)アマノの斎藤商品企画部長も参加されていました。


秋田大学ブースの様子


 翌日の10月24日(金)は、会場を秋田県総合食品研究センターに移し、秋田発食のシーズ情報交換会が開催されました。秋田県の研究機関・企業が保有する研究開発シーズを県外の企業にプレゼンテーションする機会として設定されました。私もお時間をいただき、地域植物資源を活用した健康食品・化粧品素材の研究について紹介しました。活発な質疑応答が行われ、県外企業の開発担当者からの貴重なご意見をいただきました。今後も、大学の研究成果を地域に還元すべく、活動して行きたいと思います。


秋田発の食シーズ情報交換会


 

大学構内は日中涼風で秋到来

2014年08月27日

地域文化学科(地域科学課程兼任) 篠原 秀一

 

 お盆が過ぎれば暑さの峠を越えるのは今年も例年通りです。今日は、朝晩だけではなく、日中でも涼しい風が吹いています。風があまり冷たいと冬を連想してしまうのでよろしくないのですが、蒸し暑かった夏のあとですから、涼風はいつも以上に爽やかです。
 現在、学部構内は学生の夏休み中(先生方は各地に出張・研修中など)で、ひっそりとしています。若々しい緑陰が風に揺れ、陽光が穏やかな色で、秋到来を感じさせます。




 

横手市で間引きスイカ活用の勉強会を開催

2014年08月07日

地域文化学科 地域社会講座  池本 敦


 8月5日(火)に横手市文化交流センター・Y2(わいわい)プラザで間引きスイカ活用についての勉強会を開催しました。駅前にあり、入り口付近の「にぎわいひろば」は、カフェとして利用されていました。フリースペースとして、様々なイベントにも活用されるそうです。


横手市文化交流センター・わいわいプラザ


 Y2プラザは中心が天井の高い吹き抜けのある開放的なアトリウム構造で、夏休み中の高校生が集まり、勉強を行っていました。1階のオープンスペースでは、今年の夏開催された高校野球・秋田大会の写真展が開催され、観覧に訪れた市民で賑わっていました。


プラザ内で勉強している高校生



高校野球の写真展の様子


 Y2プラザ3階には、秋田大学横手分校が入居しており、同じフロアの研修室で勉強会を行いました。勉強会には根岸分校長も参加してくださり、いろいろとご助言をいただきました。


秋田大学横手分校・根岸分校長


 私たちは廃棄される間引きスイカの活用にも取り組んでいます。小型の間引きスイカには高血圧予防成分が含まれていることが分かり、そのエキス(BWE; Baby Watermelon Extract)を健康食品原料として利用する活動を行っています。


勉強会の様子1


 今回は横手市総務企画部の小田島さん、辻さんや高橋さんが中心となり勉強会をセッティングして下さり、農林部マーケティング推進課の方々も来ていただきました。横手市内の食品関連の民間企業の皆様に参集いただき、最初にBWEエキスの開発の経緯と現在の研究状況を私から説明しました。その後、意見交換の時間が設けられ、活発な質疑応答や具体的な相談がありました。今後、BWEエキスを活用した食品の開発がどんどんと進むことを期待しています。


勉強会の様子2


 秋田大学からは産学連携推進機構の昌子智由先生と教育文化学部の学生が参加し、地元の高校生の参加もありました。食品開発の現状をしっかりと勉強していただき、将来、是非とも食品産業分野で活躍して欲しいと思います。勉強会後の懇親会では、本物の横手焼きそばをいただきながら、率直な意見交換をさせていただきました。


横手焼きそば


 単に上に目玉焼きが載ったものが横手焼きそばだと誤解されがちですが、本物の横手焼きそばは麺の断面が丸ではなく四角で、炒める前に茹でられています。実は昨年度、すでにBWEエキスを添加した横手焼きそばが試作されており、健康機能が付加されるだけでなく、麺の食感も良くなる可能性があることが分かっています。焼きそばとスイカという異質なコラボレーションの今後に期待したいと思います。

 

潟上市で学部2年生が聞き取り調査の実習を行いました

2014年07月22日

地域文化学科 植村 円香



 毎年、学部2年生の「地理学実験Ⅰ」の授業で、聞き取り調査の実習を行っています。平成26年度は、7月12日(土)に潟上市役所昭和庁舎にて、同市豊川地区の住民の方々に、「潟上市豊川地区の人々の暮らしの変化」をご自身の体験をもとに語っていただきました。終始和やかな雰囲気で聞き取りができました。これから学生さんは、聞き取り内容をまとめる作業に入ります。


真剣にお話しを聞く学生さんたち



実習にご協力いただいた潟上市豊川地区の皆様・
潟上市役所の方々と学生さんたち


 
 潟上市豊川地区の皆様、潟上市役所の皆様、ご協力いただきありがとうございました。


 

山菜を活用した化粧品・健康食品

2014年07月09日

地域文化学科 地域社会講座  池本 敦



 東京に本社のある化粧品企業の(株)アルビオンは、「エクサージュ」や「アンフィネス」、「エクシア」などの高級化粧品ブランドを有する会社ですが、秋田県藤里町の廃園となった保育園跡地を活用して、2010年にアルビオン白神研究所を開設しました。先日、私たちは同研究所を訪問し、秋田県の山菜を活用した化粧品の開発について、共同研究の相談を行いました。


藤里町のアルビオン白神研究所


 内装の一部のみを研究用に改装しただけで、保育園の建物の外観や内装のほとんどはそのまま保存されており、地域に溶け込んだ施設となっています。卒園生の子供もたまに遊びにやって来るそうです。アルビオン白神研究所は農地(ファーム)を併設し、ヨモギや各種ハーブなど、化粧品の原料となる植物を栽培しています。通常は東京の会社に勤務されている社員の方が交代で勤務されています。


アルビオン白神ファーム


 昨日は、アルビオンの原さんと産学連携推進機構の伊藤さんと一緒に美郷町の企業さきがけ・佐藤さんの農園を訪問しました。私たちは秋田でよく食べられる山菜のホンナ(一般名:ヨブスマソウ/イヌドウナ)にメラニン色素産生を抑制する成分があることを見出し、美白用の化粧品素材として活用することを目指しています。佐藤さんとその地域の方々のグループは、3年前より私たちのプロジェクトに賛同し、ホンナを栽培されています。


美郷町でのホンナ栽培の様子


 有効成分を高めるための栽培法を検討するために、天然物を移植したものや種子から栽培したものなど、条件の異なるホンナを提供いただき、今後、大学で成分の分析を行う予定です。当日は天候もよく農園の傍らで青空会議を開き、今後の事業の方針について相談しました。


ホンナ栽培についての青空会議の様子


 その後、美郷町で最近注力されているラベンダー園を視察しました。紫の花が一面に咲き誇り、平日にもかかわらず、観光客でにぎわっていました。現在【6/28(土)~7/13(日)】は、美郷町ラベンダーまつりの期間で、出店も多く賑わっており、見学にはちょうどよい時期でした。


美郷町のラベンダー園


 美郷町では白い花が咲くラベンダーの品種「美郷雪華(みさとせっか)」が開発され、2013年2月に品種登録されました。大変珍しく、一見の価値ありです。この「美郷雪華」から採取した酵母を使った純米酒が開発され、今年6月に発売されました。華やかな香りと、爽やかなのど越しが特徴の純米酒に仕上がっています。


白いラベンダーの新品種「美郷雪華」


 先日の間引きスイカプロジェクトに引き続き、ホンナやアケビなどの活用を目指した活動の様子についても、再度NHKに取材していただきました。現在、特定保健用食品(トクホ)だけに認められていた機能性表示が、他の健康食品にも解禁される転機を迎えています。今回の規制緩和に合わせ、秋田県の食品産業の振興のために協力したいと考えています。来週7/14(月)18:10のNHK「ニュースこまち」の特集で放送される予定ですので、ご興味にある方はご覧下さい。



 

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