新型コロナウイルスの重症肺炎に対する新しい治療法をNature Communications誌に発表(本学医学部の研究成果)

 

 

白神山地の土壌から分離した微生物の産生するアンジオテンシン変換酵2 (ACE2) 様
酵素B38-CAPが新型コロナウイルス感染による重症肺炎に対して治療効果を発揮する
ことを明らかにしました。ACE2は新型コロナウイルス感染の受容体である一方で、
ACE2の酵素活性は生理活性ペプチドを分解することにより心不全やSARS肺炎の重症化
を阻止することが知られていました。今回、ハムスターやヒトACE2発現トランスジェ
ニックマウスを用いた新型コロナウイルスの感染実験により、B38-CAPがACE2様酵素
として肺炎の重症化を阻止することが明らかになりました。B38-CAPは微生物の蛋白
質生産系で短期間に大量に取得できることから、この発見は新型コロナウイルスやそ
の他の原因による重症肺炎に対する新しい予防治療法の開発に結びつくことが期待さ
れます。

<論文タイトル> ACE2-like carboxypeptidase B38-CAP protects from
SARS-CoV-2-induced lung injury.
<掲載雑誌>  Nature Communications 12, 6791 (2021)
    URL: https://rdcu.be/cBR60
https://doi.org/10.1038/s41467-021-27097-8
<論文著者> Tomokazu Yamaguchi#, Midori Hoshizaki#, Takafumi Minato#, Satoru
Nirasawa, Masamitsu N Asaka, Mayumi Niiyama, Masaki Imai, Akihiko Uda,
Jasper Fuk-Woo Chan, Saori Takahashi, Jianbo An, Akari Saku, Ryota Nukiwa,
Daichi Utsumi, Maki Kiso, Atsuhiro Yasuhara, Vincent Kwok-Man Poon, Chris
Chung-Sing Chan, Yuji Fujino, Satoru Motoyama, Satoshi Nagata, Josef M.
Penninger, Haruhiko Kamada, Kwok-Yung Yuen, Wataru Kamitani, Ken Maeda,
Yoshihiro Kawaoka, Yasuhiro Yasutomi, Yumiko Imai, Keiji Kuba1#*.
#equal first author, *corresponding author
<論文掲載日> 2021年11月23日