秋田大学、コロナ禍での地震発生を想定した避難訓練を本学医学部附属病院で実施

 

訓練の様子

 

訓練を総括する南谷佳弘病院長

 

 秋田大学は10月19日、本学医学部附属病院で新型コロナウイルスの感染防止を図りながら負傷者を受け入れる訓練を初めて実施しました。医師、看護師や本学医学部の学生らが参加し、感染予防を徹底しながらの災害対応を確認しました。
 訓練は午後2時に秋田沖を震源とするマグニチュード8・7、震度6強の地震が発生し、大津波警報が発令されたとの想定で実施しました。大規模災害で中心的な役割を担う「基幹災害拠点病院」に指定されている本学医学部附属病院は、訓練の詳細を事前に伝えない「ブラインド型」の災害訓練を2013年から毎年続けています。
 各部署が職員や学生、入院患者の安否、施設の被害を確認して対策本部に報告。市内全域が停電し自家発電装置を作動させたと想定した上で、優先して実施する手術や検査を決めました。
 病院の入り口では、訪れた患者ごとに治療の優先順位を決める「トリアージ」の際、新型コロナウイルス感染症の感染防止のために検温を実施しました。患者同士の距離を空けて待機させ、発熱やその他の感染が疑われる症状がある場合は、別室で抗原検査を受けることになります。原則として無症状者には検査をしない。スタッフは感染リスクに応じてフェースシールドや医療用ガウンを着用しました。
 本学医学部附属病院の南谷佳弘病院長は「密にならないように心掛けたが距離を保つのが難しい場面もあった。コロナ禍だから災害が起きないわけではない。注意すべき点は常に考えながら備えていく」と話しました。