美郷町で「メディカル・サイエンスカフェ・ネクスト」を開催しました。
平成25年10月2日(水),秋田大学は本年度3回目となる「メディカル・サイエンスカフェ・ネクスト」を美郷町中央ふれあい館にて開催しました。
「メディカル・サイエンスカフェ・ネクスト」とは,医学や健康について,秋田大学の教員が市民にわかりやすく解説し,参加者たちが自由に意見交換をする公開講演会です。同事業は昨年度から始まり,医学部の講師に加え教育文化学部の講師も招き話題を提供してきましたが,今回はさらに工学資源学部の講師も加わり,初めて現在秋田大学にある3学部全てから講師が出揃っての実施となりました。
テーマは「高齢社会を明るく元気に生きる」。サイエンスカフェ・マスターである大学院医学系研究科長澤田賢一教授を進行役に,3名の講師が,それぞれの分野から講演を行いました。
始めに講演を行ったのは大学院医学系研究科保健学専攻の中村順子教授。「最後まで自分らしく生きる・暮らす -元気なときも介護が必要になっても-」というテーマで,介護を受ける側とする側どちらの生活も大事にすることの重要性などについて解説しました。その後,教育文化学部教育心理学講座の森和彦教授が「注意とは何か? ―注意の解剖学と処方箋について考える―」のテーマのもと,注意力とは必ずしも加齢とともに衰えるものではなく,その人の気質など別の部分に原因が潜んでいることもある,と参加者へ訴えかけました。そして最後に講演を行った大学院工学資源学研究科情報工学専攻の水戸部一孝教授は,「交通事故に遭いやすい高齢歩行者 -事故を避けるためにできること-」と題し,3D化された道路を歩く体験ができる歩行環境シミュレーター「わたりジョーズ君」を用いながら,我々は左側から接近する車と事故に遭いやすいことなどを説明しました。
講演の後の質疑応答では,医療に関して悩みを抱える方や,地元六郷高校福祉科の生徒などが,講師らと意見を交換しました。中には,講師が高校生へ向けて激励のメッセージを送るシーンがあるなど,終始活発に和やかな雰囲気で意見交換は進みました。
最後にサイエンスカフェ・マスターが,「このように世代を越えて一つの場を共有し,同じ問題について考える機会を持つことができ,良かったと思う」と締めくくり,「メディカル・サイエンスカフェ・ネクスト」は閉会となりました。