秋田大学オフィシャルいぶりがっこ「いぶりばでぃ」樽開け・製品化作業を行いました(H29.1.14)

 

 

 

 

 

 1月14日(土),秋田大学オフィシャルいぶりがっこ「いぶりばでぃ」づくりにおける,いぶりがっこの樽開け・製品化作業を行いました。

 当日はこの冬最強の寒波が到来ということで,活動場所である横手市山内三又地区にたどり着けるのか不安でしたが,なんとか予定どおりに到着することができました。今回は学生9名が参加しましたが,県外から来た学生はその雪の量に圧倒されていました。
 
 到着後,まずは昨年10月に漬込んだいぶりがっこを取り出すところから作業に取りかかりました。樽を開けて取り出した大根を手分けして運び,3段階に分けて洗いました。この洗い作業は大根に付着した漬け材を取り除くために行います。大変寒い中,かつ冷たい水での洗い作業に学生たちはいぶりがっこづくりの苦労を実感していました。その後,ひげ根を取り,スライスされたいぶりがっこのパック詰め,真空化,熱湯での滅菌処理などの一連の作業を全員で一日かけて見学・体験しました。

 昼には,樽から取り出したばかりのいぶりがっこの試食会も行いました。その際は,秋田大学北秋田分校事業で収穫された秋田大学オリジナル米「ほたるひめ」を炊いていぶりがっこと一緒に試食しました。学生たちは,自分たちが作ったいぶりがっこの美味しさに感動した様子で笑顔が見られました。

 作業終了後は師匠である髙橋篤子さんから,いぶりがっこのブランドである「金樽」の製造方法について,厳しい衛生管理基準が示されていることやブランド商品として売り出していくためには高いハードルがあることについて教えていただきました。学生たちは貴重な現場の生の声を聴き,それぞれに感じるところがあったようです。

 今回は,非常に寒い中で学生たちにとっては大変辛い作業だったと思いますが,市中に出回るいぶりがっこがこれだけ苦労して作られているんだということを肌で実感できたことでしょう。今回パック詰めしたいぶりがっこは,次回の作業でラベル貼りや賞味期限の印字作業を行って「いぶりばでぃ」の完成となります。

【参加学生の感想】
・樽明け・製品化作業ではチームワークを感じました。一人では時間がかかり負担も大きくなってしまうことでも,みんなでやることで楽しく早く出来たのかなと思いました。何よりも地元のお母さん方の技術は学ぶものが多かったです。
・蔵の見学などを通してたくさんの工夫を見ることができたのでとても勉強になりました。
・燻して漬け終わった大根を洗う作業が腰にきて辛かったです。
・少しの工程を体験させていただいただけでも足先の寒さに耐えられなかったので,毎日寒い中長時間の作業をされている方々の努力によって美味しいいぶりがっこが食べられるのだと改めて感じました。
・1本1本ひげ根を取る作業は大量の大根を扱うにもかかわらず人の手によって行われており,もっと大勢の人にいぶりがっこが丁寧に作られていることを知ってほしいと思いました。
・雪が予想以上にたくさん積もっていたし,寒くてびっくりしました。
・漬けておいた大根をとって,洗って,ひげ根をとって,切って,袋に詰めてと作業がいっぱいあって,一つの商品ができるにはたくさんの手間がかかっているということを実感しました。
・前まではスライス作業を手作業でやっていたと聞いて恐ろしかったです。
・樽に漬けたいぶりがっこを洗う作業からのスタートでしたが,真冬に水を使用して洗うため,終始手が冷たく大変でした。
・大根の種まきから携わってきたいぶりがっこがどんどん製品に近づいているのを目の当たりにしてワクワクしました。
・今までのいぶりばでぃは,「いぶりがっこの作り方を教わる」というものでしたが,今回は「商品のブランド化」の大変さや努力というものも学ぶことができて,とても勉強になりました。
・蔵の中で樽に漬け込まれている想像量以上のいぶりがっこや,作業スペースのいたるところに山積みにされた出荷待ちの商品たちを見て,一般家庭で作られていた漬物が郷土料理のひとつとしてブランド化され世の中に出回り始める,というコト(プロジェクト)の大きさを実感しました。
・大根のひげ根取り作業は商品の見栄え向上程度にしか捉えておらず,正直なところ「面倒くさいのにすごいなぁ」程度にしか考えていませんでしたが,「ひげ根が髪の毛に見えてしまうために消費者が髪の毛の混入だと誤解してしまう可能性がある」という説明を受け,食品を商品として世に出すということの難しさを感じ,かつ信頼される製品作りとはこういうことかと納得しました。