野球少年向け投球障害予防教室の研究報告が国際医学雑誌に掲載されました!(R3.12.1)

 秋田大学では平成29年度より大仙市や男鹿市、北秋田市の各自治体のご協力のもと、野球少年向け投球障害予防教室を開催しています。今年度は新たに由利本荘市でも当教室を開催しました。
 この度、当教室に関連する以下の研究報告が、国際医学誌Arthroscopy: The Journal of Arthroscopic and Related Surgeryに掲載されました。本研究では、少年捕手を対象にしゃがんだ肢位からの送球は肘への負担が大きいのではないかとの仮説を検証するため、送球時の肘関節ストレスを計測し、立った状態での送球や最大努力での送球と比較・検討しました。その結果、仮説とは異なり肘への負担はしゃがんだ肢位からの送球も立った状態での送球と同程度でした。しかしながら、送球のスピードが速い捕手や股関節内旋の可動域が硬い捕手では、しゃがんだ肢位からの送球時に肘のストレスが大きいことが明らかとなりました。これらの結果は、成長期の捕手における野球肘の予防ならびに治療介入する際の有用なデータになると考えています。

 Saito A, Tsuchida K, Yuhei Ono, Okada K: Squatting Throwing Is Not Associated With Increased Medial Elbow Torque in Youth Baseball Catches. Arthroscopy 2021; (Ahead of print) https://doi.org/10.1016/j.arthro.2021.10.023