研究者リレーコラム

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2015.4

荒波にも負けずに

保坂 芽衣
保坂 芽衣
秋田県水産振興センター
増殖部 研究員(現総務企画室 総務企画班 技師 )

 私が勤務する水産振興センターでは、秋田県の水産業を元気にするため、水産資源をまもり、増やす研究や調査を行っています。

 海川湖のあちこちを行ったり来たり、船に乗って沖に行ったり、自ら海に潜って魚介類や時には漁師さんをもつかまえたりしながら、現状の把握に努めています。

 現在、私は研究職に就いていますが、秋田県の水産職員として採用されてから4年間は、県庁で水産行政に携わっていました。
 逼迫する県財政の中で、事業や研究を行う予算を確保するために上司や先輩が奮闘する姿を見ながら、県の水産振興は誰のために、何のため行うのかということを、考えさせられてきた気がします。

 私たちの職種は人事異動があるため、現在、研究に一生懸命取り組んでいたとしても、この先、性別に関わらず、途中で研究業務を離れなければならないこともあります。
 けれども、現在の仕事の良さは、研究に固着せず、業務で得た経験をそれ以外にも活かし、またその逆も出来ることだと思います。
 行政と研究の業務を行ったり来たりするどっちつかずの研究員かもしれませんが、このような働き方が出来ることは、年齢を重ね、生活環境が変わっていく中でも、その時々の仕事に楽しみや、やりがいを見いだせるのではないかと期待しています。

 私はまだ、仕事の上での性別の差はほとんど感じることなく、漁師の荒波にもまれながらも、これまでたくましく育てていただきました。
 経験も能力も未熟な私に、上司や同僚が女性だからと特別扱いせずに一人の職員として接してくださったからこそと感謝しています。

 今後出会うかもしれない大時化にも負けずに立ち向かい、不器用でも、少しずつでも努力し、秋田の美味しい魚介類をいつまでも、多くの人に届けられるようにしたいと思います。

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