【高大接続】2014.3.18 秋田南高校で高大接続アカデミック授業(数学)を行いました

講師の小林真人 先生

 

1次関数と3次関数のグラフの足し算を表した模型

 

 秋田県立秋田南高等学校で,2年生と1年生の希望者31名を対象に,数学の高大接続アカデミック授業が行われました。
 この授業は,高大接続テキスト編集委員会(数学)の活動の一環として行われたもので,授業のテーマは編集委員会のメンバーによって検討がなされ,当編集委員会のチーフである小林真人准教授(工学資源学研究科)が講師を務めました。

授業内容
 今回の授業は「グラフの足し算」というテーマで行われました。2次関数や3次関数に一次項を加えるとグラフはどのように変化するか,実際にグラフを書いてみることで幾何的な方法でとらえる,という内容です。
 観察1 「x2 + ax のグラフを作図して x2 のグラフと比べよう。」
 観察2 「x3 + ax のグラフを作図してx3 のグラフと比べよう。」
 まず,小林先生から「そもそもグラフを足し算するというのはどういうことか」という説明があり,その後,実際にレポート用紙にグラフを書く作業を行いました。
 観察1では,グラフで足し算をするという作業に戸惑いを覚える生徒もいたようですが,隣の人と相談をしたり先生に質問するなどして次第に慣れていき,次の観察2ではグラフを書く手が進んでいました。
作業の後に,それぞれ出来上がったグラフについてどのような特徴が見られるかを考察しました。観察2では,一次関数の傾きaが正の場合と負の場合でグラフの形が大きく異なり,傾きaが負の場合は極大値と極小値が現れるということが,実際に作図をすることで分かりました。

最後に,小林先生から授業のまとめとして,
式による説明も,作図も,それぞれに良さと味わいがあります。素朴な作業をしてみると初めて見えてくるものもあって,数学はいろいろな観察ができます。数学は誰でも実験できる楽しい素材だということを感じてほしいと思います。
と,お話がありました。
 授業後に実施したアンケートでは,「自分の持っていない視点から数学について触れることができた」「身近な所に数学はあると分かった」という回答がありました。