【高大接続】2015.3.17 秋田中央高校で高大接続アカデミック授業(数学)を行いました。

 秋田県立秋田中央高等学校で,2年生と1年生の希望者161名を対象に,数学の高大接続アカデミック授業が行われました。
 この授業は,高大接続教育専門部会数学ワーキンググループ(WG)の活動の一環として行われたもので,授業のテーマは数学WGのメンバーによって検討がなされ,WG委員の山口祥司准教授(教育文化学部)が講師を務めました。

授業内容
 今回の授業は「ピタゴラス数と円の幾何学」というテーマで行われました。ピタゴラス数を無限に作り出す公式が存在することを確認し,ピタゴラス数の公式を円の幾何学を通して導出するという内容です。

 1. ピタゴラス数について
 2. ピタゴラス数と円の幾何学

 はじめに,ピタゴラスの定理(三平方の定理)の復習として一本の長いロープをどのくらいの比率で折り曲げれば直角三角形を作ることができるのかというデモンストレーションが行われました。
普段とは違った雰囲気の中で行われた授業のため,緊張している生徒もいたようですが,ピタゴラス数の等式a^2+b^2=c^2を満たす自然数の組(a,b,c)がどれくらいあるのかを実際に調べる作業では,次第に隣の人と相談をしたり先生に質問するなどして意欲的に取り組んでいました。
 その後,ピタゴラス数を既約(互いに共通の因数をもっていない整数)と既約でないものに分けて例題を解いているときには,先生方が机間巡視をしながら行き詰まる生徒に対し,時折ヒントを出して解答へと導いていました。
 ピタゴラス数を無限に作り出す公式が円の幾何学を用いて証明できるという山口先生の具体的な説明に,生徒たちは興味深く聞き入っていました。

 授業後に実施したアンケートでは,「円からピタゴラス数が求められるということに驚いた」「ピタゴラス数と円の幾何学について難しいと感じた」という感想がありました。
 内容を一見難しいと思っていた様子も少しうかがえましたが,今まで習った数学の知識がいたるところで応用されていることに気づき,改めて数学のおもしろさを感じていた様子でした。