【講習番号2134M024】講習の質問に対する回答

受講者からお寄せいただきました質問・意見に,講師から下記のとおり回答がありましたので,お知らせします。

Q1.保育と教育とが切り離せないという内容を受講し,感染症対策として始まったオンライン講義へ移行しつつある現状に,改めて疑問を抱き,同時に,感染を予防しつつ,児童生徒との人間的接触の機会を確保することの難しさも感じました。奥山先生は,昨今のこの問題について,どのように感じていらっしゃいますか?

A1.保育現場,学校現場で子どもと生活をしていらっしゃる先生方は,感染防止のために,子どもの健康管理,消毒等の環境の管理,ご自身の健康管理などに加え,様々な面での配慮や新たな工夫も求められて心身とも負担が増加していらっしゃるのではないでしょうか。
 特に低年齢の子どもたちにとっては,人との距離を取らなくてはならないこと,身体的な接触が制限されること,心のよりどころである保育者の表情がマスクで覆われて見えないことなど,心の安定につながる大切なことが奪われるこの状況は,憂うるべきことだと感じています。しかし,子どもの健康,安全を守ることを優先させなくてはならないことは致し方のないことですね。
 その中で,やはりこうした状況が子どもにとって(子どもの育ちにとって)不自然なことだということ,そしてそこにはどのような課題があるのかということは自覚していたいものです。身体的な距離を確保せざるを得ないとしても,心の距離は開くことのないようにしたいですね。一人ひとりの子どもと保育者(教師)との心通うかかわりは,保育・教育の基本中の基本です。制限された状況であっても,丁寧に一人ひとりとのかかわりを大切にしようとする保育者の姿勢を,できる限り子どもに表わしていくよう心がけるしかないのかもしれません。マスクで顔の表情が伝わらない,直接的な接触が制限されていたとしても,可能な限り言葉やまなざし,そして体の表情・動きなどで,子どもと温かくかかわっていきたいものです。
 日常の保育のほかに行事などへの影響も大きいようです。これまでのように行事が実施できないことは残念なことではありますが,従来の方法での実践が制限されている状況は,これまでの実践の在り方を本質から問い直すいい機会でもあります。各実践現場では,すでに様々な工夫もされていらっしゃるようです。たとえば,これまで集団で一斉に集まって行ってきたことを個別にかかわり対話しながら進めたことで,より丁寧に一人ひとりと接して新たに見えてきたことがあるという声にも触れました。また,行事が従来通りできないことへの対応を考えることが,そもそもの実施の目的を考えることにつながり,行事の精選や本来の目的にそう実践への転換につながったという事例もあります。この機会を見直しのいい機会とすることができればと思います。
 今回の講習もオンラインになりましたが,そのメリットもあったと思われます。しかし,受講される皆さんと直接お顔を合わせて,その場でご意見をうかがいながら進められなかったことは残念でした。こうしたご質問についても,受講者の皆さんで一緒に考え,情報交換したいことでした。

Q2.幼稚園・保育園・幼保連携こども園の根拠法の違いはわかったが,昨今増えている幼保連携こども園が設置されるようになった経緯を知りたい。

A2.日本の保育は戦後,幼稚園と保育所という二つの施設を中心に担われてきました。保育所は保護者の就労や家庭の状況などによって,家庭での育児の担い手がいない場合にそれを補完する目的で行われてきました。一方,幼稚園は,学校教育の一環として幼児期にふさわしい教育を行う施設で,保護者の要請によってその子どもの幼児期の教育(保育)を担ってきました。そうした状況に対して,幼児期の子どもが保護者や家庭の実情にかかわらず,等しく良質な保育・教育を受けることができるようにすること,そして,どの子にも幼児期から小学校以降の学校教育の中で一貫して健やかな発達を保障することができるようにするということが,ひとつの目的です。
 もう一つは,就労する保護者の増加に伴ういわゆる「待機児童」の増加という問題に対しての,保育の場の量的な確保という目的があります。さらには,近年の家庭や地域の子育て環境の変化に対応する,地域の子育て支援の役割・機能を担うことが保育施設に強く求められるようになったことも背景にあります。
 背景となる保育や子育ての実情,特にこれまでの保育施設の設置の状況は地域によって違いもあります。
 幼保連携型認定こども園の制度や,制度開始の背景やこれまでの経緯などについては,内閣府のホームページでも説明されていますので,そちらもご参照ください。

➡内閣府(子ども・子育て新制度/認定こども園)https://www8.cao.go.jp/shoushi/kodomoen/index.html