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日本中東学会第35回年次大会と公開講演会「中東地域における多元的資源観醸成を目指して」を開催しました

 

 

 2019年5月11日に秋田市にぎわい交流館AU、同12日に秋田大学手形キャンパスにて、中東研究の専門家らでつくる日本中東学会第35回年次大会が開催された。1985年の発足以来、秋田県での年次大会の開催は今回がはじめてであった。年次大会の1日目は、「中東地域における多元的資源観醸成を目指して」と題した公開講演会を企画し、秋田大学大学院国際資源学研究科および人間文化研究機構基幹研究プロジェクト「現代中東地域研究」の共催で開催した。
 近年、資源確保を軸とした日本・中東関係は新たな局面に移行しており、レアメタルを含む金属鉱床の共同調査、太陽光発電や原子力発電の共同事業といった石油・天然ガスの代替えとなるエネルギー分野に加え、地球環境問題や社会問題等のグローバルイシューにも積極的また多面的に関与する必要が生じている。そこで本講演会では、中東における持続的な資源開発と良好な関係の継続と発展のためには、理学・工学分野と人文・社会科学分野、さらにはグローバルなレベル(実業界や国際機関)とローカルなレベル(地域住民)を架橋して、いったいどのような“資源観”を醸成していくべきなのか、議論した。
日本中東学会の会員だけではなく、秋田大学の学生、一般市民からの参加もあった。公開講演会の参加人数は日本中東学会会員が126名、秋田大学の学生、一般市民が78名の計204名であった。
 公開講演会は、秋田大学の宮本律子教授の全体司会で行われ、秋田大学大学院国際資源学研究科長の藤井光教授の挨拶の後、以下の講演が行われた。まず、国立民族学博物館の西尾哲夫教授より「フォーラムとしての現代中東地域研究の可能性」と題し、国立民族学博物館が行っているフォーラム型情報ミュージアムプロジェクトの、中東における3つのプロジェクトの概要について講演があった。次いで、秋田大学の縄田浩志教授より「文理融合/異分野連携の中東地域研究:人文学がつなぐ研究と実践の事例より」と題し、人文学研究者の視点から、中東地域研究における文理融合/異分野連携にはどのような課題と可能性があるのかについて講演があった。3番目に秋田大学の藤井光教授より「中東地域の技術者との業務、研究を通した交流」と題し、中東地域での業務経験に基づく現地との交流および秋田大学と中東地域の研究連携に関して講演があった。4番目に秋田大学の千代延俊准教授より「アブダビにおける石油開発と地球温暖化ガス削減」と題し、中東地域の石油開発と地球温暖化ガス削減技術に関する研究に関して講演があった。5番目に秋田大学の渡辺寧教授より「中東地域の鉱物資源」と題し、中東地域の鉱物資源に関する詳細な報告とその利用に関する講演があった。最後の演者の日本エネルギー経済研究所の保坂修司研究理事より「中東の資源をめぐる日本の外交と中東研究」と題し、中東と日本の外交史を踏まえ、新しい日本・中東関係を模索する講演があった。その後、秋田大学の稲垣文昭講師を座長として、講演者6名に秋田大学の安達毅教授、日本エネルギー経済研究所の坂梨祥研究理事を加えパネルディスカッションを行い、元駐UAE・駐イラク・駐エジプト大使の片倉邦雄氏より、これからの日本の資源外交の課題についてコメントがあった。最後に日本中東学会の大稔哲也会長の挨拶で閉会された。また、閉会後に特別プログラムとして、秋田大学竿燈会により妙技披露が行われた。
 本公開講演会の様子は、秋田魁新報2019年5月17日朝刊25頁に「日本中東学会講演会 エネルギー資源、持続的利用学ぶ」として紹介された。「同研究科の縄田浩志教授(資源管理学)は、スーダンで2016、17年に行った自然資源に関する現地調査について紹介。理学や工学、人文社会学などさまざまな分野の研究者と現場を共にし、有意義な議論ができたとして「中東の資源管理について理解を深めるためには、自然環境や政治情勢といった複数の切り口から分析することが必要だ」と話した。
 年次大会の2日目は8つの会場にて、個人研究発表47件、企画セッション8件と、活発な議論が行われました。エクスカーションとして、昼の休憩時に秋田大学大学院国際資源学研究科附属鉱業博物館の展示案内を行ったところ、多数の参加者があり中には数時間以上も展示内容を満喫された方もいらした。参加人数は日本中東学会会員、一般参加者、韓国中東学会韓国中東学会(Korean Association of Middle East Studies (KAMES))からの来賓をふくめ計190名であった。なお、韓国中東学会の来賓の先生方には、韓国から留学中の秋田大学大学院生のアテンドで、田沢湖周辺をご案内させていただき、喜んでいただいた。