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2015.1

失敗を楽しもう!

  • 井上 みずき(いのうえ みずき)
  • 秋田県立大学
  • 生物資源科学部 生物環境科学科 助教
研究内容を教えてください

植物を材料とした基礎生態学と保全生態学的研究に取り組んでいます。
1つめの基礎生態学的研究は、クローナル植物の生活史特性を解明するものです。とくに有性繁殖(種子繁殖)とクローン繁殖(ササの地下茎やヤマノイモのムカゴなどが該当)の繁殖様式の進化について考察しています。
2つめの保全生態学的研究では、シカの過採食で下層植生が劣化した森林の生態系機能の回復試験をしています。1集水域をシカが入れないように柵で囲った試験地を作り、植物の種多様性や水質、昆虫相がどのように変化するのか明らかにしています。

進路を決定したきっかけや今の研究をしようと思った
きっかけがありましたら教えてください

生物学を志した理由は、高校生物でクラゲの生活史の「クローン」ができるメカニズムに驚いたからです。そのころからなんとなく「クローン」に興味がありました。
研究者でやっていこうと思った理由は、直接的には、修士2年で就職活動に失敗したことですが、大学内外の先生方のご指導のおかげで研究の楽しさに目覚めたことと学術振興会でDC2に採用されたことが縁だと思います。

仕事と生活を両立するために実践している事、心がけている事はありますか

心がけているのは、子と私双方の健康と精神的安定が仕事に集中するための近道であるという認識、また、離れて生活している夫に対し、ホウレンソウ(報告・連絡・相談)を忘れず感謝の気持ちをもつこと。最後に、私の仕事と育児の両立サポートのために秋田まで引っ越して来てくれた両親には感謝してもしきれません。

研究者を目指す女性大学院生・学部生の皆さんへメッセージを一言お願いします

研究者というのは新しい発見を重ねたり、新たな理論を構築していく開拓者だと思います。ですから、私生活でも常識にとらわれず、マイペースにアップダウンを楽しみつつ、自分らしい生き方を追求していけばいいのではないでしょうか。
ちなみに、私が所属する日本生態学会・日本森林学会・種生物学会の全国大会には毎回、託児所が設置されます。若手研究者に優しい学問分野だと思います。

●プロフィール

京都大学卒

京都大学大学院修了(博士:農学)

京都大学で雇われPD

秋田県立大学勤務

遠距離婚で1人の子どもを育てながら働いています。

●マストアイテム(長靴)

野外調査の必需品です。地下足袋や胴長・登山靴のこともありますが。。。

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