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2014.6

分野を超えて、いろんな人と繋がれる研究者

  • 中島 佐和子(なかじま さわこ)
  • 秋田大学
  • ベンチャーインキュベーションセンター助教(現大学院工学資源学研究科 情報工学専攻 助教 )
研究内容を教えてください

修士課程までは物理化学や計算機化学の研究をしていましたが、「社会的マイノリティに向けた工学研究」という分野の創造性の豊かさに出会い、博士課程からはバーチャルリアリティや福祉情報工学の研究に進みました。その後、映画製作者や障害当事者や支援者の方々との出会いをきっかけに、現在は、映画や映像のバリアフリー化に関する研究を遂行中です。日常生活を豊かにし文化的な活動を行う上で、映画やテレビ鑑賞は欠かせません。しかし、加速する少子高齢化社会を背景に、身体特性の多様化が進む一方で、聴覚や視覚に不便を感じる方々が映像コンテンツを自由に鑑賞できるシステムは充分に整備されているとはいえません。映画や映像鑑賞のバリアフリー化への障害当事者からの期待は非常に高く、高齢者や障害のある人たちへの情報保障という観点も含めて、その実現がいち早く望まれています。障害のあるなしに関わらず誰もが映画や映像を楽しむ社会を構築するために、聴覚障害者の映画鑑賞に関する実態調査や字幕内容に関する評価を行うと同時に、字幕制作技術や字幕提示技術の開発とその社会化を進めることで、新しいメディア体験の実現に繋げたいと考えています。

進路を決定したきっかけや今の研究をしようと思った
きっかけがありましたら教えてください

学生時代は春休みや夏休みを利用して旅をすることが大好きでした。ちょうど修士課程の卒業時期に行ったメキシコへの旅がきっかけで、博士課程での研究テーマやその後の進路を決定したように思います。先住民やその他の多様な文化をもつ人々が混じり合ったミクスト・カルチャーな世界に触れることで、日本では気づくことができなかった社会の問題やそれを生きる力に変えるようなパワーみたいなものを感じ、現在に繋がる「研究を通じた社会へのアプローチ」の根っこのようなものができたと思います。その後、博士課程を修了しポスドクになる段階で、映画のバリアフリー化というテーマを通じて、科学や研究という枠組みを超えた様々な人たちと出会いました。社会的な課題を顕在化し、いかにクリエイティブな解決策をもって未来を創っていくかというスタンスと方法論に大きく触発され、現在への道を決定づけたように思います。この2つの経験が今の研究に繋がっています。

仕事と生活を両立するために実践している事、心がけている事はありますか

子どもが生まれてからは仕事と生活のスタイルが大きく変わりました。それまでは、自分の時間が100%でしたが、今は子どもと何をしたら楽しいかという視点で生活を創っていくようになりました。現実的には仕事に没頭できる時間は減りましたが、子どもとの体験は仕事と生活を両立する上でよい刺激になっていると思います。特に休日は、「子どもと一緒に今だからできること」をキーワードに、今まですることのなかったことを子どもと探りながら気分をリフレッシュしています。最近では、秋田の魅力を大発見するのが楽しいです。また、ポスドクの時代に同じ大学で知り合った女性研究者7名で研究ユニットを作って活動しています(CHORDxxCODE)。それぞれの専門性を活かして相互に刺激し合いながら、ひとりではできないことをやっています。その活動はいつも、自分の仕事と生活に大きな刺激を与えてくれる大切な存在です。

研究者を目指す女性大学院生・学部生の皆さんへメッセージを一言お願いします

女性は出産なども考えると、男性に比べて明確なキャリアパスを設計することが難しいかもしれません。ただ、そうした現実をある種の「自由」と捉えて、その状況を活かして発想を広げていけば、新しい視点で今までにないことに出会えると思います。これからは女性の生き方はますます多様化して、いろいろな課題や可能性が見えてくると思います。学生の間は「自分の好きなことやこだわり」を見つけることでいいのではないでしょうか。そして将来、それを手掛かりに世界を広げて行ってください。

●プロフィール

国立大学東京工業大学卒
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東京工業大学大学院修士課程卒
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東京大学工学系研究科博士課程卒
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慶応義塾大学へ勤務

東京大学へ勤務

秋田大学へ勤務

結婚と出産

現在は子ども(女児)を育てながら働いています。

●マストアイテム(スニーカー)

「フットワークを軽く!」を目指して、「スニーカー」(写真右上)はマストアイテムです。

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