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2015.12

曽根 千晴

研究テーマに憑りつかれて

  • 曽根 千晴(そね ちはる)
  • 秋田県立大学
  • 生物資源科学部 生物生産科学科 助教
研究内容を教えてください

アフリカでイネの生産量を増加させることを最終目標に、1) アフリカ各国での栽培が期待されているNERICA(アジアイネとアフリカイネの種間雑種後代系統群、アフリカのために開発されたイネ)を、低肥沃な塩害稲作地で栽培管理技術によって収量向上させる方法を研究しています。大河川の氾濫原低湿地は、水環境および土壌肥沃度が畑地に比べて恵まれており、稲作への利用が期待されています。そこで、2) ガーナ共和国の氾濫原低湿地で現地試験を行い、不安定な環境条件下でイネの出芽・苗立ちを改善させる条件の検討、3) 堤防等がない氾濫原低湿地でしばしば起こる冠水被害のために、葉の光合成活性を利用した簡易で迅速な冠水抵抗性評価法の開発とその応用、を研究しています。

進路を決定したきっかけや今の研究をしようと思った
きっかけがありましたら教えてください

仲の良い年上の従兄が「理系で大学に行ったら修士まで行くのが常識だ」と言っていたので、素直に大学入学時から修士(博士前期課程)までは進むつもりでした。幸い学部時代の指導教官と研究テーマが面白かったので、そのまま同じ大学の博士前期課程に進みました。しかし、M1の5月頃に「修士卒だと(M1の)夏休みが終わったら就活が始まる」と気づき、研究に集中できる期間のあまりの短さに愕然としたのが、博士後期課程に進んだきっかけです。アフリカとの縁は、学部生の時に指導教官が上記のNERICAを手に入れたためという非常に偶然の結果でした。ただ、その後は、両親が表現するにはアフリカに憑りつかれ、苦手な英語を頑張ってでもアフリカでの研修留学に行ったり、毎回問題頻発の現地試験にいそいそと出かけています。

仕事と生活を両立するために実践している事、心がけている事はありますか

ロングスリーパー体質です。長時間眠ることについて周りからいろいろ言われることはありますが、自分の体質を受け入れ、布団の中には考え事は持ち込まず気持ちよく寝るようにしています。

研究者を目指す女性大学院生・学部生の皆さんへメッセージを一言お願いします

”やった後悔より、やらなかった後悔”(の方が後まで引きずる)、は本当だと思っています。自分自身まだまだ未熟で、周りの人に助けられてばかりですが、時計の針が逆に回っても自分は同じことをする、と思えたらぜひその道を突き進んで下さい。ただ、英語と周囲との協調性は大事だと思います。

●プロフィール

岡山大学農学部卒

岡山大学大学院自然科学研究科博士後期課程単位修得満期退学

(独)国際農林水産業研究センターで研究助手として勤務(3年半。途中、博士(農学、岡山大学)取得)

秋田県立大学で勤務

●マストアイテム(好奇心とイネ)

これをやったらどうなるんだろう?と興味を持ったら、飛び込んでいます。写真の水槽はイネを冠水させています。冠水させて暫くはアクアリウムのようで綺麗です。

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