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2021.2

前田 恵理

仕事の生産性を最大化する一案

  • 前田 恵理(まえだ えり)
  • 秋田大学大学院医学系研究科
  • 衛生学・公衆衛生学講座 准教授
研究内容を教えてください

専門は公衆衛生ですが、特に妊活や不妊など妊娠成立前の母子保健に関する研究を行っています。たとえば、食事や生活習慣が「生物学的な妊娠しやすさ」と関係するか調べたり、妊娠前からの健康教育によって知識や行動がどのように変化するかについて調査を行っています。厚生労働省の研究班では、不妊治療の保険適用化や助成金制度について、国内外の政策研究を実施しています。臨床医は目の前の患者さんの治療を行いますが、私は公衆衛生医師として集団全体(国民)が健康になることを目指した研究を行い、政策に発展させることを目標にしています。

進路を決定したきっかけや今の研究をしようと思った
きっかけがありましたら教えてください

卒業後はいわゆる手術の上手な医師を思い描いて臨床に励んでいましたが、長女にリハビリの必要な疾患が見つかったことをきっかけに、公衆衛生に転向しました。当直のない職場、という非常に消極的な理由で東京都福祉保健局に転職しましたが、1300万人の都民と向き合う仕事のスケールとやりがいに感動し、公衆衛生こそ天職と思うようになりました。母子保健について、もっと深く学ぶために大学院に進み、現在は研究者の立場から公衆衛生に携わっています。夫の転勤に伴い、秋田へ来て7年が経ちましたが、秋田県内での調査に加え、全国の大学や海外との共同研究も続けています。

仕事と生活を両立するために実践している事、心がけている事はありますか

朝型生活です。定時で帰宅しても、子供たちと家事に追われて、あっという間に21時を回ってしまうので、夜からの仕事は疲れて集中できません。まずは子供たちと一緒に眠ることにしました。忙しい日は4時台に起床するようにしていますが、ゆとりのある時は6時まで…日中の集中力を高めるために睡眠をとり、健康に過ごすことを第一にしています。

研究者を目指す女性大学院生・学部生の皆さんへメッセージを一言お願いします

ご自身やご家族の健康状態をはじめ、人それぞれ環境が異なりますので、両立の正解はありませんし、完璧なロールモデルもいないでしょう。私自身も試行錯誤と葛藤の毎日ですが、かつての職場の先輩から「仕事をしているだけでエラい」と言われたことを思い出しては、自分を励ましています。家庭やプライベートが大変な時期は追い込みすぎず、数年後の飛躍のために充電期間にすることも大切だと思います。

●プロフィール

東京大学医学部医学科卒

卒業と同時に結婚

臨床研修

東京都福祉保健局(母子保健事業・医療費助成事業等)

東京大学大学院卒

秋田大学

現在は3人の子どもを育てながら働いています。

●マストアイテム(デスクヒーター)

厳しい冬に欠かせないのがデスクヒーター。机の裏面や側面に貼って使います。秋田に赴任した年に上司から頂いたものですが、デスクワークの生産性が全然違います。まだお持ちでない方は是非設置してみてください。

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