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2024.2

佐藤 佳澄

将来の進路を決める簡単な方法

  • 佐藤 佳澄(さとう かすみ)
  • 秋田大学医学部附属病院  高度救命救急センター
  • 助教
研究内容を教えてください

集中治療室に入院するような、多くの臓器に障害を抱えている患者さんの中には、血栓性微小血管障害症という希少で難しい病気のかたがいます。そのような方の治療のオプションとして血液浄化療法というものがあります。血液浄化とは、患者さんの血液を取り出しながら、悪い成分を取り除き、良い成分を補充する治療法です。この血液浄化療法を安全におこなうことができないかを検討することが私の研究テーマです。

進路を決定したきっかけや今の研究をしようと思った
きっかけがありましたら教えてください

私が高校生のときは、将来的に特にやりたいこともなく、明確な進学先の目標もありませんでした。深い意味はなく、学力や金銭面など現実的な理由で進路選択をおこない医学部に進学しました。しかし、医学部で学ぶことは楽しく、自分に合ってると思いました。医学部を卒業し、秋田県で研修医になると、救急医療の担い手が極端に少ないために、救命治療の機会を受ける機会が相対的に少なく、失われている命があると感じました。研修医ながら、明確な課題感を持てたために、救急医学および集中治療医学を自分の専攻としました。周囲に救急医・集中治療医のロールモデルがまったくない中で、キャリアを積むことは大変でしたが楽しさがありました。医師の仕事の中で感じた課題を、研究題材として、臨床研究をおこなっています。

仕事と生活を両立するために実践している事、心がけている事はありますか

仕事をしたいときはとことん仕事をして、休みたいと感じたときは自由に休んでいます。むしろ仕事と生活を両立するという意識を持たないようにしています。オフの日に、ゆっくり読書をしていても、仕事につながるアイデアを得られることがあるので、頭の片隅に仕事のことを常に置いておきます。仕事以外でやらなければならないことがあるときは、仕事の一部を縮小して、そちらに当てます。必要な分だけ、適時調整すればいいや、と気楽に思っています。

理系進路選択を迷っている女子中高生の皆様に向けてメッセージを一言お願いします。

私は中高校時代、明確な目標もなければ、特にやりたいこともなく、なんとなく進路を決めました。大学に進んでからは、日々の学業は楽しく、友人と過ごす学校生活も充実していました。でも、将来の具体的な目標は、依然としてありませんでした。研修医になってからも、明確な進路目標があったわけではなく、日々の仕事の中で「これをやったほうがいいのかな…?」となんとなく思うことがあれば、そちらを選択していただけです。救急医になってからも、同じです。臨床研究をはじめたのもまた、同じ流れからです。あまり深く考えず進み、人との出会いに助けられながら、キャリアが少しずつ形成されました。そもそも進路に迷う必要はないのです。将来を予見することはできないので、あれこれ考えても消耗するだけです。進路を高望みして苦しむ必要もありません。自分の能力は限られています。現実的に選択できる進路の中で、少し気が向いた方にふらっと進めばいいだけです。進んだ先に、いろいろな人や事との出会いがあり、またその先の道が続いていきます。

●プロフィール(経歴)

秋田大学医学部医学科 卒業

秋田大学医学部附属病院 初期レジデント

秋田大学医学部附属病院 救急科後期レジデント

秋田大学医学部附属病院 救急科スタッフ

救急科専門医 取得

集中治療専門医 取得

秋田大学医学部附属病院 総合診療医センター 特任助教

秋田大学大学院医学専攻 博士課程 卒業

現職

●マストアイテム

職場デスクの快適な作業環境です。チェアは倒してベッドのように変形させることができます!

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