介護等体験について ~教員として、人間としての、豊かな人間性の育み~
小学校や中学校の教員免許状取得を目指す人の中で、そのために教育実習が欠かせないことを知らない人はいないと思いますが、「介護等体験」というものもまた欠かせないことを知っている人は、決して多くありません。以下では、本学部の介護等体験について簡単に紹介します。
1.介護等体験とは?
平成9年6月にいわゆる「介護等体験特例法」が公布されました。
この法律には,以下のことが掲げられています。
- 対象者:小学校及び中学校の教諭の教育職員免許状取得希望者
- 趣旨:「個人の尊厳及び社会連帯の理念に関する認識」を深めるために、特別支援学校及び社会福祉施設等で障害のある児童・生徒、お年寄り、子どもなどと交流し、様々な活動(共同活動や介護・介助など)を体験すること。
つまり,今後の日本社会で,高齢者や障害者に思いやりをもった教師が,義務教育の指導に携わってほしいとの願いが込められています。
2.介護等体験は,いつ,どのくらいの期間行うのか?
- 時期:原則2年次
- 期間:特別支援学校で2日間,社会福祉施設で5日間,合計7日間
3.特別支援学校,社会福祉施設はどんなところ?
特別支援学校
- 知的障害を主とする学校
- 肢体不自由を主とする学校
- 視覚障害を主とする学校
- 聴覚障害を主とする学校 等
社会福祉施設
- 高齢者を対象とする施設
(特別養護老人ホーム、デイサービスセンター 等) - 障害のある人を対象とする施設
(知的障害者更生施設、身体障害者更生訓練センター 等) - 乳幼児を対象とする施設(乳児院 等)
- 子どもを対象とする施設(児童養護施設 等)
◎体験希望先を、第1~3希望まで選択していただきます。
4.体験内容は?
特別支援学校:(例) | 授業参観・児童生徒との交流、学校行事への参加、教師の補助、 登下校の指導の補助など |
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社会福祉施設:(例) | 職員による様々な介助(食事、入浴、トイレ、整容等)の補助、レクリエーションや 行事の補助など |
介護等体験に向けた指導とサポート
教師志望の学生には、介護等体験を通して、①一人ひとりの人間のかけがえのなさや、人と人との支え合いの大切さについて深く豊かに理解すること、②自分及び他人の幸せ(すなわち福祉)を願う心を育むこと、③幸せ(福祉)を実現するための種々の制度や取組(行政、福祉施設、教育機関、医療機関、 NPO等の民間団体、等)の大切さを認識することが求められます。
そのため、事前・事後指導を行い、介護等体験を行う学生を丁寧にサポートしています。
本学部では、事前指導、実際の介護等体験、事後指導を含めたものを一つの授業科目(「教育福祉実習」)として、必修単位化しています。