留学を希望する方へ
留学体験記

ビクトリア大学
(カナダ)

2019(令和元)年度
海外短期研修
教育文化学部1年
渡部 結希

研修先での学習内容等

 他国から来た人々と一緒に英語を英語で学ぶ。(単語、文法、読解、リスニングなど)初日のクラス分けテスト(speaking test)でクラスが決まる。私は20Aというクラスの中で1ヶ月英語を学んだ。クラスは午前の部と午後の部で先生が違い、内容もそれぞれ別のものを扱った。二つのクラスに共通していえることが、英語を学ぶのではなく「使う」ものであることを前提に、自国や他国の人々とコミュニケーションを図ることに焦点を置いていることである。中にはあるトピック(例えば国際問題、パーソナリティ、人生についてなど)が決まっており、ディベートのような形式をもとに、クラス内で討論させる授業もあった。またホームステイを通して、カナダの人々がどのように生活しているのか、どのような考え方をもっているのかを日本との違いに着目しながら理解を深めた。
 

研修期間の生活面について

 ホストファミリーの支えのおかげで、特に生活に困ることなく楽しく過ごすことができた。日本では味わうことのない料理や習慣などが私にとってとても興味深く、毎日新しい発見をしていたと感じる。大学がホストファミリーの家から近くにあることも含め、とても快適であった。ホストファミリーは私のことを家族の一員のように受け入れてくれた。ホストファミリーとの何気ない会話の中で日本とカナダの違いを発見することがほとんどであった。文化的背景の違いはもちろん、ビクトリアに住む一つ一つの家庭の間にさえたくさんの違いが見られる。それは、カナダが多民族国家であるという特徴から生まれる部分があり、カナダに留学することでしか味わえないことではないだろうか。1ヶ月という短い時間であったが、ホストファミリーと一緒に過ごした時間は私にとって一生の思い出である。
 

研修期間全般にわたる感想

 留学説明会の中で留学を経験された学生が全員、口をそろえて「留学を経験した方がいい」とアドバイスをくださったのをきっかけにこの海外短期研修に参加した。これがはじめての海外渡航であり、不安半分、期待半分でカナダに一カ月短期留学をしたが、本当に濃い充実した1ヶ月を過ごした。

 何よりも「自分が今、何が苦手で何に対しては自信をもつことができるのか」がはっきりした。留学を経験する前は、どうしても他人と自分を比較することでしか自分自身を見つめていなかったように感じる。素直に自分の気持ちと向き合えるようになったことで「自分らしさ」が大切であることに気づくことができた。ビクトリア大学で専門的分野を学ぶ学生や、ホストファミリー、ビクトリアに住む人々全員が個性や自分らしさを大切にしているように感じた。それは、様々挙げられる国際問題に対して自分の意見を持ち、発信していくことにつながる。いざ自分もトライしてみようと思っても簡単にできることではないことも学んだ。それには文化や背景、環境、自分の性格などいろいろな要素がからまってくるからである。

 ただ、「何かに挑戦する」ことはいつでも始められることで、それは上記にあげた要素は全く関係ないと思う。自分の意思さえ強ければ何事にも挑戦できることをカナダ人の姿勢を通して学んだ。

 また、普段秋田大学で学んでいることがより鮮明に自分の知識として吸収することができた。例えば、英語には様々な種類があり、今英語は国際言語であることをカナダに留学してはじめて実際に直接味わった。同じプログラムには日本人だけでなく、中国人、韓国人、ブラジル人などたくさんの国々から人々が集まっていた。それぞれ母語は違う言語だが、英語をコミュニケーションツールとして用いることで当たり前のようにお互いの気持ちや意見を理解できるのである。特にビクトリア大学の授業内で行った「英語で自国の文化を伝える」活動は強く印象に残っている。英語を用いれば世界各国の人々と意思疎通が出来ることが不思議に感じると共に、それがどうして英語なのだろうかと考える時もあった。

 日本では見ることができないカナダの魅力をたくさん発見した。例えば、カナダに住む人々の環境を自分たちの手で守っていこうとする姿勢がとても印象的であった。家庭内で使用した物のすべてをリサイクルが可能なものとできないものに分別し回収したり、地域の自然環境の維持を図るボランティアに積極的に参加したり、日本には見られない魅力であると感じた。また初めて外国から日本を見つめ直すことができ、カナダにはない日本の魅力を学んだ。違う国や地域で生活していても、違いだけでなく必ず共通点もある。その共通点をホストファミリーと共有し合って、お互いの文化を学び合えた時は本当に楽しく貴重な時間合ったと共に異文化を理解する楽しさをも味わった。

 まだ、将来自分が何をしたいのか具体的には決まっていないが、この1ヶ月の経験は私自身の将来に対する考え方を大きく変える一つの転機である。とにかく自分の気持ちに素直になりいろいろなことに挑戦していきたい。挑戦することをきっかけに自分の考え方をまたさらに大きく広げていきたい。
 

今後の勉学計画

 今回の留学を通して学んだ「英語を英語で学ぶ」ことをこれからも続けていきたいと考えている。また、英語をコミュニケーションツールとして用い、自分の意見を伝えることをAllRooms内での活動や留学生との交流を通して行う。長期留学をしたいと考えているが、自分自身がどんなことに興味があって、何を掘り下げて研究したいのかまだ定かではないため、教授や家族と相談しながら、自分自身を知ることから始めたい。また、定期的にTOEFLや英検、TOEICの受験をすることで客観的に自分の英語力をはかることを欠かさず行う。この海外短期研修で学んだことや語学留学の魅力を他の学生に伝える活動にも積極的に参加したい。
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