高大接続アカデミック授業(数学)を行いました。【秋田県立湯沢高等学校】H30.3.15

(変曲点を探しているところ)

 

(FB定理を鑑賞しているところ)

 

 秋田県立湯沢高等学校において、理数科クラス1・2年生約70名を対象に、高大接続アカデミック授業を行いました。
 これは高大接続教育部門会議数学WGの活動の一環として実施したもので、事前に高校教員を交えた数学WGが協働で題材選定や教育開発を行い、当日は本学の小林真人准教授(理工学研究科)が授業を担当しました。

 今回の授業は「接線を引いて曲線のかたちを調べる」をテーマに、生徒自らが、定理を導く道のりに触れ、数学を身近に感じることを狙いとして行われました。
 はじめに、閉じた曲線の説明がありました。その後、生徒達自身が閉じた滑らかな曲線を描き、その中で特徴的な点を見出すことに取り組みました。先生から今回は交点と変曲点に着目するという方向性が示されました。加えて、曲線に接線を引き、双接線を探すことを指示され、生徒達は一般的な曲線を思い思いに描くと、交点、変曲点、双接線を記しました。
 ここで、小林先生から「一般的な閉じた曲線に対して、交点、変曲点、双接線は関係を持つか、独立か」という問いがかけられ、アドバイスを頂きながら考察し、各自の意見を固めていきました。そして、実は関係性を持つことが伝えられ、導かれた定理は「Fabricius-Bjerre Theorem」であるとの種明かしがされ、実際に関係式を鑑賞して理解を深めることができました。
 終わりに、この定理が最近発見されたものであることが伝えられ、小林先生のこの定理の再発見についての実体験のお話を聞き、数学は活きていること、身の回りのあちこちに存在していることを知りました。そして、「自分で手を動かして考える楽しさを忘れないでほしい」と小林先生からメッセージが送られ、授業は終了しました。
 
授業後の感想の一部を紹介します。
・授業の最後にこの定理がどう役立つのか知ることができて、より一層身近なことに感じた。
・身近で、誰もが疑問に思わないようなことを授業の主軸にしていて、自分の身近なところにも疑問に思ったら研究できそうなことがあるのかと思った。
・話し合いながら作業することがとても楽しかった。何か法則を見つけて一般化することの難しさが分かった。大学で行う内容に触れることができたのは、大きな収穫だったと思う。また機会があれば、このような授業を受けてみたい。