教育学研究科は、初等中等教育の発展に寄与できる高度な教育専門職としての教師を養成する「教職実践専攻」と、教師や学校を支援し、地域の発展に貢献できる高度な心理専門職を養成する「心理教育実践専攻」の2専攻で構成されています。

教職実践専攻は、いわゆる教職大学院であり、教職に関わる理論および応用を教授研究し、高度な教育専門職としての教職を担うための深い学識と卓越した実践力を培うことを目的とする専門職大学院です。理論と実践の往還を重視し、10単位以上の実習が必須で、授業はケースメソッドやワークショップ、フィールドワークなどが中心となり、実践との関連が重視されます。修士論文はありませんが、教育実践研究報告書の作成・提出が必要です。修了すれば、教職修士(専門職)の学位と、専修免許状が授与されます。

教職実践専攻は、「学校マネジメントコース」「カリキュラム・授業開発コース」「発達教育・特別支援教育コース」の3つのコースからなります。学校マネジメントコースは1年制で現職教員院生に限定されますが、他コースは2年制で現職教員院生と学部卒院生の両方が所属します。多くの授業はコース、現職・学卒の垣根なく、ともに学び、現職院生は若手へ実践知を伝える力を獲得し、学卒院生はベテランから実践知を引き継ぐ力を獲得します。

心理教育実践専攻は、「心理教育実践コース」の1つのコースからなります。本学部附属の臨床心理相談室での陪席やケース担当、精神科・デイケア・小児科・児童相談所、司法矯正施設などでの実習により、様々な実践経験を積むことができます。また、適応指導教室実習は不登校の子どもたちと関わる貴重な場となっています。日本臨床心理士資格認定協会の第1種指定大学院として、臨床心理士の養成にあたるとともに、学校心理士、公認心理師の養成を行います。修士論文を作成・提出し、修了すれば修士(教育学)の学位が授与されます。

近年、社会の急激かつ大きな変動により、教育や心理に関わる領域では様々な課題が生じ、複雑化・多様化しています。この状況に対応するためには、高度の専門性と豊かな人間性・社会性を備えた高度な専門職が求められます。その養成は学部の4年間だけでは十分でなく、世界的に見ても、修士レベルの能力が求められるようになってきました。学部と大学院を合わせて6年間の学びを蓄積することにより、即戦力として活躍できる新人として教育、心理関係の職に就くだけでなく、一旦社会に出て、一定のキャリアを積んだ後に大学院で学び、その職のリーダーとなっていくことも重要な意味を持ちます。

ぜひこの秋田大学大学院教育学研究科で学び、高度専門職として社会に羽ばたき、社会に大きく貢献することを目指してください。私たちは全力で応援します。

教育学研究科長 佐藤 修司