秋田大学大学院教育学研究科の目的

教育学研究科は、教育に関わる理論と実践の往還を通じて、学校現場から課題を抽出し多様な人々と連携協働しながら、組織的に課題を解決するとともに地域に蓄積された実践知の継承と創造に取り組む意欲と力量を有する、高度な教育専門職としての初等中等教育教員の養成とその教員や学校を支援し、地域の発展に貢献できる高度専門職業人の養成を目的とします。

心理教育実践専攻

教員や学校を支援して地域の発展に貢献するスクールカウンセラー(臨床心理士、公認心理師、学校心理士)を養成します。

教職実践専攻(教職大学院)

理論と実践の往還を通じて学校現場の課題を解決し、実践知の継承と創造に取り組む意欲と高度な力量を有する初等中等教員を養成します。

秋田大学大学院教育学研究科の特徴

  1. 秋田県内の優れた教育現場で、「授業観察・分析」と「授業実践」を行うことを通じて、高度な「授業実践能力」を身につけることができます。(教職実践専攻)
  2. 秋田県で築かれてきた教育の実践知を継承するとともに、これからの教育のあるべき姿の創造を目指し、「実践的課題解決型」のカリキュラムを設定します。(教職実践専攻)
  3. 授業や学校の内外における様々な教育事象について、グループ討論を交えて、多面的かつ多角的な分析・検討を行います。(教職実践専攻・心理教育実践専攻)
  4. 少人数のゼミナール形式の授業を通じて、考えぬく力が身につき、学校教育の課題を深く理解することができます。(教職実践専攻・心理教育実践専攻)
  5. 修士論文作成につながる課題研究は、臨床的・実践的に行われ、教育課題解決の切り口を探ります。(心理教育実践専攻)

臨床心理士資格認定の受験資格を取得できます。

 臨床心理士受験資格は、日本臨床心理士資格認定協会が心理教育実践専攻心理教育実践(臨床心理学)コースを第1種指定校として認定したことによる受験資格です。
 この資格を得るためには、心理教育実践専攻において指定科目の単位を修得し、臨床心理学分野の課題研究と学位論文審査に合格することが必要です。

「教職チャレンジ制度」で教員免許を取得できます。

 教職チャレンジ制度は、大学院生に学部開講の授業を無償で開放し、希望校種の教員免許状を取得できる制度です。取得できる免許状は原則として1校種であり、中学校及び高等学校の免許状においては1教科・領域に限ります。また、大学院で所定の単位を修得することにより、専修免許状を取得することもできます。

公認心理師資格認定の受験資格を取得できます。

 公認心理師受験資格は 国が定めた国家資格で、学部で公認心理師に必要なカリキュラム(この条件は出身学部のカリキュラム構成,及び入学年次により異なります)を修めた者のみが大学院心理教育実践専攻において学ばなければならない講義、演習実習科目を取る事により可能となります。

秋田大学大学院教育学研究科の受け入れ方針《アドミッション・ポリシー》

心理教育実践専攻(修士課程)

本専攻では、次のような人材を求めています。

  1. 人を取り巻く社会・地域・家庭環境を幅広くとらえる視点,カウンセリングマインド,発達障害などの正しい理解と高度な対応能力を備えた高度専門職業人となることを志向する人
  2. 将来,地域に住む人々のさまざまな心の問題を支援したいという意思を持つ人

※入学前に勤務校や大学等で修得すべき内容

・心理学及び臨床心理学に関する一般的な知識
・心理統計法を駆使して、観察記録を含む自分の研究データを分析する技能
・多様な人々の考えや行動を受容しコミュニケーションを行うことができるための教養
・自らの研究や臨床実践に応用できるようにするため、国内外から発信される心理学的研究に関する学術論文から内容が理解できる日本語と英語の語学力

入学者選抜の基本方針

筆記試験では,主として「知識・技能」,「思考力・判断力・表現力」を評価し,口述試験では提出された出願書類を活用して,主として「知識・技能」,「主体性および多様な人々との協働性」を評価します。

入学者選抜方法における重点評価項目

入試区分
選抜方法
知識・技能
思考力・判断力・表現力
主体性および多様な人々との協働性
思考力・判断力 表現力 主体性 多様な人々との協働性
現職教員
学部卒
筆記試験
   
口述試験
   
出願書類
   
 

教職実践専攻(専門職学位課程・教職大学院)

本専攻では、次のような人材を求めています。

  1. 学問への探究心を持ち,理論と実践の往還を通じて学校現場の課題を解決し,主体性と創造性を持って実践知の継承と創造に取り組む人
  2. 現職教員院生は,スクールリーダーや学校改革,学校マネジメントの中核となって学校現場の課題を解決していくにふさわしい幅広い視野と教養,実践的な知識・技能と,それらを活用して課題解決するために多面的,実践的な思考力・判断力・表現力を身につけている人
  3. 学部卒院生は,学校現場において即戦力として学校現場の課題を解決していくにふさわしい学校教育に関する基礎的な知識・技能と,それらを活用して課題解決するために必要な思考力・判断力・表現力を身につけている人

※入学前に勤務校や大学等で修得すべき内容

  1. 現職教員院生
    ・学問への探究心,学校現場に必要な主体性と創造性
    ・学校教育に関する幅広い視野と教養,実践的な知識・技能
    ・学校現場の課題解決をするために必要な思考力・判断力・表現力
  2. 学部卒院生
    ・学問への探究心,学校現場に必要な主体性と創造性
    ・学校教育に関する基礎的な知識・技能
    ・学校現場の課題解決をするために必要な思考力・判断力・表現力

入学者選抜の基本方針

  1. 現職教員院生
    ①学校長等から推薦された者
    口述試験では,提出された出願書類を活用して,主として「知識・技能」,「思考力・判断力・表現力」,「主体性および多様な人々との協働性」を評価します。


    ②上記①以外の者
    小論文では,主として「知識・技能」,「思考力・判断力・表現力」を評価し,口述試験では,提出された出願書類を活用して,主として「知識・技能」,「思考力・判断力・表現力」,「主体性および多様な人々との協働性」を評価します。
  2. 学部卒院生
    筆記試験,小論文では,主として「知識・技能」,「思考力・判断力・表現力」を評価し,口述試験では提出された出願書類を活用して,主として「知識・技能」,「主体性および多様な人々との協働性」を評価します。

入学者選抜方法における重点評価項目

入試区分
選抜方法
知識・技能
思考力・判断力・表現力
主体性および多様な人々との協働性
思考力・判断力 表現力 主体性 多様な人々との協働性
現職教員① (学校長等から推薦された者)
口述試験
出願書類
   
 
現職教員② (上記①以外の者)
小論文
   
口述試験
出願書類
   
 
学部卒
筆記試験
   
小論文
   
口述試験
   
出願書類
   
 

秋田大学大学院教育学研究科教育課程方針(カリキュラム・ポリシー)

大学院教育学研究科では,ディプロマ・ポリシーを達成するため,専攻ごとに次のような教育課程 方針を定めています。

心理教育実践専攻

  1. 教育課程は,共通科目,臨床心理士関連科目,公認心理師関連科目,学校心理士関連科目から構成され,幅広い視野から心理実践教育を理解し,すべての科目及び心理実践・研究活動が,現場の課題解決に貢献するための使命感と責任感,態度を備えた心理臨床の実践家の力量形成を目的としている。
    【使命感,責任感,態度】
  2. 授業は専任教員等による個別の実習指導や少人数のゼミナール形式等で行われ,心理臨床実践に関する専門知識や技能を教員から直接獲得できるようにする。
    【豊かな人間性】【思考力,判断力,表現力】【実践力,省察力】
  3. 先行する学術論文の理解力を高め,プレゼンテーション能力を磨くことにより,課題研究の遂行(修士論文研究)に必要な研究技法とその知識を獲得できるようにする。
    【分析力,構想力,表現力】
  4. 理論と実践との往還を重視し,共通科目等で獲得した技能・知識をもとに実践に繋げることを目的として,様々な現場に対応した実習科目を必修とする。
    【豊かな人間性】【思考力,判断力,表現力】【実践力,省察力】
  5. 研究と実践との往還を重視し,共通科目等で獲得した技能・知識をもとに,実践に繋がる研究を自ら探求し,技能の促進及び新しい技能の開発が可能となる研究能力を高めるために,課題研究(修士論文研究)を必修とする。
    【分析力,構想力,表現力】【実践力,省察力】

教職実践専攻

  1. 教育課程は,共通科目,コース科目,教職実践コース横断型演習科目,実践省察科目,実践実習科目から構成され,すべての科目及び教育研究活動が,学校現場の課題解決に貢献するための使命感と責任感,態度を備えた教員の力量形成を目的としている。
    【使命感,責任感,態度】
  2. 幅広い視野から学校教育を総合的に理解できるように,各コースに通底する共通科目を必修とする。
    【専門的知識】
  3. 学校マネジメント・協働力,カリキュラム・授業デザイン力,成長発達サポート力の三つの「伸長したい力」に対応して多様化,体系化し,学習の深化や関心の広がりに沿うコース科目を設定し,選択必修とする。
    【専門的知識】
  4. 理論と実践との往還を重視し,共通科目,コース科目及び教職実践コース横断型演習科目で獲得した実践知を,教育現場において適用,省察,改善を図り,その成果を最終報告書にまとめ,発表できるようにするため,実践省察科目を設定し,必修とする。
    【分析力,構想力,表現力】【実践力,省察力】
  5. 理論と実践との往還を重視し,共通科目,コース科目及び教職実践コース横断型演習科目で獲得した実践知を,教育現場において適用,省察,改善を図ることを目的として,実践実習科目を設定し,必修とする。
    【分析力,構想力,表現力】【実践力,省察力】

秋田大学大学院教育学研究科学位授与方針(ディプロマ・ポリシー)

大学院教育学研究科では,次のような知識・技能,態度等を身につけた学生に,「修士(教育学)」または「教職修士(専門職)」の学位を授与しています。

心理教育実践専攻

  1. 心理的な支援・教育をおこなう専門職として,修得した高度な専門的知識と実践的技能を活かして,学校を含むさまざまな臨床現場の課題解決に貢献しようとする使命感と責任感,継続的に自己研鑽に励み,職業生涯にわたって学び続ける態度を身につけている。
    【使命感,責任感,態度】
  2. 心理教育実践上の課題に対処するために必要となる高度な専門的知識と技能を修得している。
    【専門的知識】
  3. 心理教育実践上の課題に対処するために必要となる,科学的・批判的,総合的・多角的な分析力,構想力,表現力を修得している。
    【分析力,構想力,表現力】
  4. 心理臨床における科学者―実践者モデルの理解にもとづき,より有効な心理的支援を探求し、様々な現場に対応して自ら新たな実践知と技能を創造できる高度な実践力と省察力を修得している。【実践力,省察力】

教職実践専攻

  1. 学校現場の課題解決に貢献しようとする使命感と責任感,職業生涯にわたって学び続ける態度を身につけている。
    【使命感,責任感,態度】
  2. 現職教員院生は,カリキュラム・授業開発,発達教育・特別支援教育または学校改革や学校マネジメントに関して,学校の改革を主導していくことができる高度な専門的知識と実践的指導力を修得している。学部卒院生は,カリキュラム・授業開発または発達教育・特別支援教育に関して,学校の実践に貢献することができる高度な専門的知識と実践的指導力を修得している。
    【専門的知識,実践的指導力】
  3. 教育実践上の課題に対処するために必要となる科学的・批判的,総合的・多角的な分析力,構想力,表現力を修得している。
    【分析力,構想力,表現力】
  4. 学校マネジメント・協働力,カリキュラム・授業デザイン力,成長発達サポート力の三つの力を核として,学校における実践知の継承・創造を可能にする高度な実践力と省察力を修得している。
    【実践力,省察力】