秋田大学大学院教育学研究科は、平成元年に2専攻5専修で創設されましたが、平成28年度から教職実践専攻と心理実践専攻の2専修という現在の体制となっています。本研究科の主目標は、初等中等教育を担う優れた質の高い教員の養成、および臨床心理学に基づいた人の心に寄り添う臨床心理士の養成にあります。修了生は学校現場や県教委等での指導的な役割、そして医療・保険・教育関係等で心理専門職としての役割を果たしています。

教職実践専攻は、専門性の高い教員を養成することを目的とする教職大学院(専門職大学院)であり、「学校マネジメントコース」「カリキュラム・授業開発コース」「発達教育・特別支援教育コース」の3つのコースから構成されています。現在では50を超える教職大学院が日本国内に設置されていますが、本専攻の特徴は、教科内容を選択的に包括したカリキュラム開発に力点を置いた科目構成となっていること、および管理職養成に特化した学校マネジメントコースが設置されていることです。修士論文がない代わりに、教育実践研究報告書の作成・提出が必要となります。また本専攻を修了すると、教職修士(専門職)の学位および専修免許状が授与されます。

心理教育実践専攻は、心理関係の高度専門職である臨床心理士を養成することを目的としており、「心理教育実践コース」のみで構成されています。秋田大学教育文化学部には臨床心理相談室が設置されていますので、有資格者である大学教員の指導・監督のもと、面接の担当や陪席を通して十分な実務経験を積むことができます。また本専攻は財団法人日本臨床心理士資格認定協会から第1種認定を受けているため、充実したカリキュラムが用意されていることが保証されています。本専攻を修了するには修士論文を作成・提出が必要となりますが、修了すれば修士(教育学)の学位が授与されます。また臨床心理士・公認心理士・学校心理士の受験資格が得られます。

高度な教育力やカウンセリング力を持つ人材を育てることは、社会からの要請であり、今後も減ることはないでしょう。秋田大学大学院教育学研究科は、このような社会からの要請に基づき、即戦力となる修了生を世に送り出すため、日々進化を続けています。ぜひ本研究科への興味を持つと同時に、入学を考えて頂きますよう、お願い致します。

教育学研究科長 上田 晴彦