2017/06/15

多様性を保障するために…

 

 

 はじめまして。今年度4月より,男女共同参画推進室長を拝命いたしました山名裕子です。よろしくお願いいたします。

 数年前ですが,私が所属しているある学会での委員会に初めて出席したとき,その委員会のメンバーを見てはっとしたことがあります。10名弱ほどの委員会でしたが,文字通り「老若男女」の構成だったのです。単に,「見た目」が様々だからといって,そこでの議論や考え方が「多様である」ことを保障するものではありません。しかし,それでも「男女どちらかの性が圧倒的に多く,かつ年代もほぼ同じような構成集団」よりは,私は多様な見方ができるのではないかと感じました。もちろん学会と大学の規模は違います。しかし,そのような多様な構成員を今以上に確保していくことも当然必要になってきます。

 名前こそ「男女共同参画推進室」ですが,「男性・女性」という性にとらわれない見方や考え方も,多様性を考える上では大切な視点になります。「男性だから〜,女性だから〜」というようなステレオタイプ的な露骨な言い方や考え方をする人は,少なくなりつつあるかもしれません。しかし,どちらかの性が圧倒的に多い構成集団ということは,そういう意識がまったくない,と言い切ることもできません。もちろん男性・女性のどちらでもない性の捉え方をされる人もいます。このような性差だけではなく,障がいの有無,年代,人種,宗教,病歴等々にかかわらず,それぞれの立場,それぞれの見方や考え方を尊重するような多様性を保障する社会を,再構築する必要があります。

 そしてそれは,社会の常識からかけ離れているといわれる大学を含めた「学校」と呼ばれる場所で,ますます求められます。すぐに変わらないことかもしれませんが,少しずつでも何かが変わっていき,一人ひとりが幸福感をいだくことができるような,多様性を保障する様々な取り組みを,考えていきたいと思っております。


男女共同参画推進室長 山名裕子