「みんな集まれ!!楽しい科学教室 ~ふしぎの世界を探検しよう!~」を開催しました。(大学コンソーシアムあきた主催)

 

熱心に講義を聴く中学生

 

シラスの観察。どんな生物がいるかな??

 

 平成21年7月~8月の4日間、横手市役所本庁南庁舎講堂を会場に中学生を対象にした科学教室を開催しました(主催:大学コンソーシアムあきた)。講師は秋田大学及び秋田県立大学の教員が務め、横手市内の中学生が参加し、普段の授業とは異なる視点から、数学・自然エネルギー・生物・建築について学びました。
 このうち8月11日(火)に開催した「シラス観察を通して学ぶ海洋生態系の不思議 ~シラスを観察して海の政体を知ろう~」では本学教育文化学部自然環境講座 石井照久准教授が講師を務めました。

 講師は、生物の「門」の構成などについて、動物が一定の特徴により分類されていることを説明した後、海洋生物について触れ、カタクチイワシの子が茹でられシラス干しになっていることを説明し、スーパーで購入できるシラスを観察することで、産地の海洋生態系の様子を知る手掛かりになることを講義しました。参加者は観察から判ることを仮説として記し、それを確かめるため、実際に黒い紙の上にシラスを広げ、竹串を用いてシラス以外の生物をより分け、ルーペで観察しました。シラス産地は静岡・愛知・愛媛の3種類で、参加者は産地によって含まれる生物の種類に違いがあるか、どのような生物が多いかなどに注目しながらじっくり観察していました。
 生物を見つけると、講師から配布された写真資料とつきあわせて種類を確認したり、種類が分からない時は講師に質問したり、別の種類の生物を探して新しくシラスを追加したりと、参加者は積極的に観察を続けていました。
 1時間ほどの観察を終えると、初めに各自が立てた仮説が正しかったかどうかを確認しました。今回の観察を通じて海洋生物の生態系だけでなく、産地の海がいかに豊かであるか、汚染されていないか等も知ることができました。同時に、観察したシラスは加工業者等を経由しているため、その海の情報全てを知ることが出来るわけではなく、さらに詳しく知りたい場合は別の視点での観察や資料の採集をする必要があることも指摘しました。参加した中学生は、仮説を立てそれを検証するという科学的な検証手法の入り口も体験することができました。