秋田大学卒業生の冒険家・阿部雅龍氏が北極圏750km単独歩行の報告会を開催

 

本学卒業生で冒険家の阿部雅龍氏

 

報告会の様子

 

インフォメーションセンター内に常設されている阿部氏の展示を見学する参加者

 

 秋田大学卒業生で冒険家の阿部雅龍氏が7月20日、インフォメーションセンターでグリーンランド北極圏単独歩行の報告会を開催しました。
 同報告会には本学の学生・教職員や地域住民が参加。平成28年3月初旬から5月下旬の約3カ月にわたり行われたグリーンランド北極圏単独歩行について報告されました。
 阿部氏は、当初1200kmを歩く計画の下、冒険を開始。スキーを履き計150kgの装備や食料を積んだそりを引いて行われましたが、出発から22日目、気温が高くなってきたことに危険を感じ、陸地側へ移動していた時に足元の氷が割れて海に落ちるアクシデントに見舞われました。体温が奪われ、手足の感覚が徐々になくなっていく中、悪戦苦闘して海氷上にはい上がり、水没した2つのそりのうち1つは引き上げることができず、テントやこんろなどの装備を失いました。テントなしで一晩を過ごし、翌日に救助を要請。ヘリコプターで運ばれ、手当てを受けました。冒険拠点地で療養した後、約1週間後に徒歩行を再開。予定ルートなど計画を変更し、5月下旬に750kmほどを踏破したところで冒険を終えました。「海に落ちるというアクシデントに見舞われたが、冷静に対応できたことで冒険を再開することができた。冒険を行う際はパニック状態におちいらないことが大事である」と話しました。
 平成29年冬には、約100年前に日本人で初めて南極を探検した白瀬矗(しらせ のぶ、秋田県出身)の足跡をたどり、徒歩で南極点に到達する冒険を計画しています。今回の冒険は、平成26、27年のカナダ北極圏徒歩行に続く極地トレーニング第3弾として行われました。
 阿部氏は「南極に挑む姿を通じ、夢を追う素晴らしさを伝えていきたい」と抱負を述べました。