本学学生が、不登校・引きこもり等の経験者らと懇談

 

「つながリング」のメンバーと懇談する学生たち

 

 秋田大学教育文化学部(学校教育課程)と横手分校は7月21日、教職を目指す教育実践コース初年次ゼミ所属の学生を対象に、不登校や引きこもりを経験、または現在もその傾向にある若者のグループ「つながリング」のメンバーとの懇談会を実施しました。
 「つながリング」とは、秋田県横手市で行われている若者支援事業の一つで、同市で月に2回、不登校、引きこもり等の経験者らがお互いの思いを語り合える場としてグループミーティングを実施しており、活動には臨床心理士や保健師が入り、コーディネートを行っています。
 同分校では平成23年度から実施している大学生・高校生教職体験プログラム「教育ミニミニ実習」の中で、「つながリング」のメンバーと参加者との懇談会を平成25年度から実施しています。
 今回の懇談会は、教職を目指す者としての心構えや理想の教師像の形成等を目的に行われ、横手市役所健康福祉部健康推進課保健師主査の後藤ひとみ氏がコーディネーターとなり、同保健師の石山瑠莉氏、「つながリング」のメンバー3名と学生11名が参加しました。
 「つながリング」のメンバーは不登校等になった理由や当時の様子などを講話。「なぜ不登校等になったのか、今でも原因が分からない」「他人の何気なく行った言葉が自分自身には一言が心に突きささった」「不登校等は学校の問題だけでなく家庭の事情など様々なことがきっかけとなる」などの話がありました。
 メンバーから参加者へ「不登校等になった児童・生徒がいた場合、どのように対応するか」という質問があり、参加者からは「不登校等になった原因を少しでも軽減できるように状況把握に努めたい」「児童・生徒が色々と話をしやすい環境を作りたい」などの話がありました。
 最後に、参加者からは「メンバーの話は教職を目指す上で貴重な経験となった」「不登校等のきっかけはいじめなど原因がはっきりしているものと思っていたが、本人も原因や理由が分からない場合もあることを知った」「これまでは根性でどうにかなるものだと思っていたがそうではないと考えを改めた」「不登校等の改善において、学校に登校させることが最善であると限らず、その児童・生徒に合わせた対応が必要」「自分自身では良かれと思って発した言葉が児童・生徒にとっては傷つくきっかけとなり得ることを知った」などの感想がありました。
 不登校、引きこもり等の経験者らと学生が懇談する取り組みは全国的にも珍しく、同懇談会を企画した教育文化学部の佐々木信子准教授は「懇談会は心温まる感動的な雰囲気の中で進められた。教職を目指す学生にとっては、深い学びにつながる貴重な体験の場となった。」と話しました。