「いぶりばでぃ」樽開けを行いました。(H24.2.4~5)

樽からいぶりがっこを取り出す

 

水洗いして漬け材を洗い流す

 

それぞれのサイズに切り分け

 

完成したいぶりばでぃ

 

 2月4日(土)・5日(日),横手市山内三又地区において,オフィシャルいぶりがっこ製造プロジェクトに参加している教育文化学部長沼研究室の学生がいぶりがっこの樽開けを行いました。
 1日目は,樽だし,洗浄,髭取り作業を行いました。まず始めに,約60日間漬け込み,熟成させたいぶりがっこを樽から取り出します。大きな樽の中に体を半分埋めての作業は,簡単なようでなかなか重労働です。学生たちは,体中漬け具材だらけになりながらも,きれいな飴色に漬かったいぶりがっこを見て歓声を上げていました。
 取り出されたいぶりがっこは,水場で具材を洗い流し,髭根を取り除きます。洗い場の水は地下水を利用しており,沢水よりも温かいとのことですが,長時間手を入れていると芯から凍える冷たさです。学生たちは「水が冷たくて大変」「毎日この作業をしている地元の方々はすごい」と驚いていました。水洗い後の髭根取り作業は,大量のいぶりがっこを仕上げるため,地元の方々とともに細かい作業に黙々と取り組みました。
 そして早速,できたてのいぶりがっこを試食しました。加熱処理前のいぶりがっこの風味は格別なものです。学生たちは,おいしくできあがったことに喜びをかみしめていました。

 この日の作業は16時で終了,冷えた体を三ツ又温泉で温めました。翌日も朝からの作業になるため,この日は高橋さんが営んでいる農家民宿「三又長右衛門」と三ツ又温泉に分かれて宿泊しました。夕食は,地元で採れた野菜や山菜,漬物を使った料理をいただき,冬場の食材が少ない時期でも様々な工夫によって営まれている豊かな食生活を実感しました。

 翌日5日は切り分け,真空パック,加熱殺菌作業を行います。作業の説明を受けた後,さっそく3班に分かれて作業に取りかかりました。
 切り分け作業では,今年の製品ラインナップである100gサイズ,スライス,ごんじりの3タイプに切り分けます。いぶりがっこの太さを考慮しながら手作業で100gちょうどに切り分ける作業はとても難しく,一回で100gちょうどに切り分ける地元の方の技を見て,学生たちは「本当にすごい。長年の経験が必要だと感じた」と驚きつつも,一生懸命,作業に取り組んでいました。
 真空パックした後は加熱殺菌作業です。80℃のお湯で約15分間,いぶりがっこの中心部が75℃で安定するまで加熱します。
 加熱殺菌が済んだパックにラベルを貼って,「いぶりばでぃ」の出来上がりです。作業を通して,1つの製品を作るために多くの手間暇がかかっていることを実感した学生たちは,「多くの手間をかけて作られた製品をより多くの人に届けたい」と感想を述べていました。

 ついに完成した今年の「いぶりばでぃ」。今後は,スーパーとの交渉や学内販売の計画を立て,多くの皆様に早く味わっていただけるよう準備を進めていきます。