秋田大学学生宇宙プロジェクト

笑顔で取材を受けてくれた小出さん

 

取材する学生広報スタッフ

 

今回は秋田大学学生宇宙プロジェクト(以下、ASSP)に所属し、ハイブリットロケットプロジェクト・プロジェクトマネージャーの小出凌平さん(秋田大学理工学部システムデザイン工学科創造生産工学コース2年)に、ASSPとはどのような団体なのか、どのような活動を行っているのか、実際の小出さんの経験などを交えてお聞きし、ASSPの実態について迫ってきた。

ASSPは秋田大学学生自主プロジェクトの1つで、現在は3年生1人、2年生5人、1年生3人の計9名で活動を行っている。「自作のロケットで自作の人工衛星を打ち上げ、宇宙からの様子を観察する」が団体の目標で、今年は、「自分たちがロケットの設計製作から、打ち上げ解析まで行うことによって実践的なモノづくりの技術やプロジェクトマネジメント力を身に着け、自分たちの主体性を養うこと」「能代市で活動報告会を開催したり、子どもたちにモノづくり教室を開くなどのアウトリーチ活動(※)を行うこと」の2つを目標として活動している。ASSPのロケットは他大学に比べ、分離機構と呼ばれるパラシュートを開く機構に特徴があり、成功率は8割と高い水準を保っている。ASSPは週4~5日活動しており、週に2回の定例会を行っている。
(※…分かりやすい言葉で研究内容や研究成果を伝える活動のこと)

今回インタビューにご協力いただいた小出さんは、子どもの頃から宇宙に興味をもっており、進学を考えている時に、ネットでASSPについて知り秋田大学進学を決意したそうだ。しかし、現実は入学前に憧れていたものとは程遠く、ほとんど活動がないため、ロケットを飛ばすことができなかった。去年の空白の時間が今大きな欠点になっていると話していた。去年の活動実績がないため、自身の成長に実感が持てず、来年入ってくる新入生に対して指導することができるのか不安になり、辛い時期もあった。そんな辛い時期を乗り越えられたのは友達の存在が大きかった。友達と運動したり、他のサークルの友達や先輩とたわいもない話をすることで、心が軽くなっていき、いいストレス発散の場になったそうだ。
また、学び得たことも多く、先輩とコミュニケーションをとっていく中で、相手の要望を理解し、自分の気持ちを伝えることの大切さや、書類の書き方など実務的な技術も身に付けることができた。親御さんに昔から教えられてきた「積み重ねがある人にはかなわない」という言葉を自らの経験を通じて実感したようだ。

今、ASSPは新体制で活動している。7月15日にはロケットのエンジン燃焼実験が成功し、8月15日に能代市で行われる能代宇宙イベントでロケットを打ち上げる予定だ。また7月27日に行われるオープンキャンパスで展示、説明会を実施する予定だ。
ASSPには創造生産工学コースの学生しかおらず、違うコースの知識もこれから必要になってくるため創造生産コース以外の部員も求めている。もし、少しでもロケットに興味があったり、モノづくりに興味がある方は、秋田大学学生宇宙プロジェクトで検索してほしい。

(取材:佐藤、カメラ:荘野)(取材日2019年7月4日)