秋田プロジェクションマッピングチーム

終始笑顔で取材を受けてくれたメンバー
(左から宮澤さん、村田さん、島崎さん、曽根さん、高秀さん)

 

 

 今回、学生広報スタッフは、秋田プロジェクションマッピングチーム(以下、APMT)に、新メンバーの加入、企画展開催に至るまでの準備、各自が制作したプロジェクションマッピングのテーマや動画技術について話を伺った。
 APMTは「学生自主プロジェクト」の一環で活動を行っており、結成当初から活動している代表の島崎徹さん(大学院理工学研究科・修士課程1年)、曽根悠司さん(同1年)に加え、宮澤奈央さん(理工学部4年)、高秀千冬さん(同2年)、村田千穂さん(同1年)の3人が今年度から新たに加わり、計5名で活動している。
 今回新しく加入したメンバーの宮澤さん、高秀さん、村田さんにプロジェクトへの参加理由を伺った。宮澤さんは、以前からAPMTのメンバーに誘われており、サークル活動が落ち着いた今回を機に活動に参加したという。高秀さんは、音楽や映像が好きで、自分でも制作してみたいと思っていたところ、ポスターでAPMTについて知ったのがきっかけだ。村田さんも動画編集に興味があり、授業でAPMTについて知った際、アフターエフェクトという動画編集技術を使えるかもしれないと考え、活動に参加した。
 このように新体制となったAPMTのメンバーは、秋田大学インフォメンションセンターで7月8日(月)〜12日(金)まで開催された、初の企画展に向けて準備を進めていた。
 その準備を始めたのは新メンバーが加入して間もない頃だった。まず初めに、投影場所について話し合い、限られた技術の中で、自分たちの制作した動画をどのように編集・構成するかを考えた。5月中旬に考えがまとまり、そこから一か月半、毎週火曜日と木曜日に集まり、制作を行ってきた。
 制作段階で使用したソフトは、2種類ある。まず1つは、映像制作ソフトである「アフターエフェクト」。このソフトはクリエイティブ(創造的)な活動をする人向けのソフトで、無の状態からエフェクト(加工)を追加することによって映像を制作するものだ。もう1つは、動画投影ソフトの「マッドマッパー」。このソフトにはプロジェクションマッピングを投影するための様々な機能が含まれており、今回の企画展では斜面に投影する映像の歪みを避けるため、マスク処理(特定の部分のみを表示)を行うなど、投影のための範囲を制限するために使用するものである。
 これらのソフトを用いて、今回の企画展のテーマである「納涼」をイメージした動画を各自制作した。島崎さんは涼しいイメージを考えたとき、真っ先に水を思いつき、海の中を表現したプロジェクションマッピングを制作していた。海の中を表現するのは困難で、最初は水面が嵐のように黒くなってしまうという苦労があった。曽根さんは映像に瓶ラムネやあさがおを用いて、初夏の涼しさを表現していた。シーンに連続性をもたせるように工夫し、高秀さんは星と蛍を用いることで夏の暑さをも忘れさせるような夜の場面を表現していた。せせらぎの音楽と一体になって映像を楽しむことができる。「映像全体から感じられるものが納涼だったら嬉しい」と曽根さんが語ってくれた。
 最後に代表の島崎さんは、「制作した動画で涼んでもらいたい。今回の企画展を通して、より多くの人にAPMTや動画制作について知ってもらえるきっかけになれば良い」と述べ、「秋田の顔になれるくらいAPMTとしての活動に尽力したい」と熱く語ってくれた。今後のAPMTの活動にも、期待が膨らむ。

(取材:斉藤(萌) カメラ:杉山)
(6月25日・7月9日取材)